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主にネオロマ、乙女ゲームの二次、夢小説を連載しております。
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2011土浦BDSSです。

18回目のHAPPY BIRTHDAY




「う〜ん」
両腕を組み楽器屋のとあるコーナーで難しい顔をしながら唸って、
ショーケースに齧り付くように見ているのは、
星奏学園の音楽科の制服に身を包んでいる日野香穂子その人であった。

「結構、種類あるんだな〜。どうしよう・・・。」
ショーケースに並んだ品物を見ながら小さく『は〜』と、ため息を漏らす。

実は香穂子は、一週間後に控えた土浦の誕生日プレゼントを買いに来ていた。

先程から、プレゼント候補のタクト(指揮棒)を選んでいるのだが思っていた
以上に種類も豊富で、タクトの知識が乏しい香穂子は店員にあれこれ聞きながら
迷っている最中であった。


説明を聞けば聞くほど、どれを買っていいか分から無くなってきた・・・。
やっぱり、他も物にしたほうがいいかな・・・。
握り心地とか、重さとかも大事みたいだし・・・。
使う本人に選んでもらったほうがいいのかな〜。

と、ショーケースの前で相変わらず難しい顔している香穂子に見かねてなのか

「お客様、実は先程こちらに新作のタクトが届いたんですが見てみますか?」
と、先程から香穂子に説明していた店員が声をかけてきた。

「新作?」
店員に声を掛けられ新作という言葉に反応して店員の方を振り返った。

振り返った先には、言っていた商品であろう箱を持った店員が立っていた。


「シャフトの部分は白なんですが、グリップはグリーンなんですよ。」
と、言って高級そうな箱を開けて香穂子に見せてくれた。

グリップ(持ち手)は、店員の話によるとローズウッドという素材でシャフトは
カーボングラファイトという素材らしい。

うんうん。と聞いてはいる香穂子だったが内心ちんぷんかんぷんだった。

店員によると長さも重さも申し分ないと言われたが、最終的には使う人間が
使いやすいかどうかだと言われてしまった。

確かに手にもってみると今までの中で一番持ちやすかった。

それにグリップの部分の色も綺麗なグリーンで是非ともこれを握って指揮を
している土浦を見てみたい。
そう思ったら

「これ下さい。」
そう口に出していた。

高校生がプレゼントするにしては少し高いかなぁ〜。
という気もしたけど土浦の喜ぶ顔が見たくてつい奮発してしまった。

いい買い物ができたと香穂子は今にもスキップしそうな気持ちを抑えて
ご機嫌で楽器店を後にした。

 


そして一週間後

 

 

今日は待ちに待った土浦の誕生日

学校は夏休み入っており学校に来ている生徒は部活や講習に来ている生徒
楽器の練習にきている生徒などで、さほど多くはなかった。

香穂子も音大の為の講習組みの一人だった。
そして、講習は勿当然土浦も一緒にとっていた。

今日は講習が終わったあと一緒に練習をする約束をしていた。

頑張って早起きして焼いたチ-ズケーキは、家庭科部の友人に頼んで冷蔵庫に
入れさせてもらっている。

プレゼントのタクトは見つからないようにロッカーにしまってある。

後は、今日の練習の時に渡せばいいだけの状態だ。

香穂子は、早く練習の時間にならないかな〜。
と、講習を受ける教室で逸る気持ちを抑えてその時が来るのを
今か今かと待っていた。

 

そして、待ちに待ったその時がやって来た。

いつもなら、一緒に練習に行くのだが今日は『先に行ってるね。』
と、教室と一人で飛び出した。

ケーキを取りに行き、ロッカーのプレゼントを持ち予約していた
練習室に向かった。

急いで来たおかげで土浦の姿はまだなかった。

中に入ると走ってきたおかげで暑くなった身体が練習室の冷房のおかげで
冷えていく。

ピアノの上にケーキを置きカバンとプレゼントの入った袋は、床に置く。
ヴァイオリンを取り出して調弦を始めた。

ちょうど調弦を済ませた頃土浦がやって来た。

「香穂、今日はなんだか随分とやる気だな。」
と、微笑みながら自分のカバンを香穂子のカバンの横に置いた。

土浦の顔を見てニコニコ笑いながら。

「土浦君。ここに座って。」
と、ピアノの椅子を進める。

「な、なんだ?」
香穂子に言われるがまま椅子に座る。

そして、土浦の前に頑張って焼いたケーキの箱を置く。

「開けてみて?」
自分の置かれている状況がイマイチ飲み込めていない土浦は香穂子の言うとおり
に蓋を開ける。

驚いているのか、ケーキを黙って見つめている土浦に向けて
香穂子はヴァイオリンを奏で歌付きで始めた。

「happy birthday to you・・・・・・。」
突然始まった香穂子の誕生日の歌に呆然と香穂子を見ている。

恥ずかしそうに頬を染めて歌を歌っている香穂子に、次第に土浦の顔が綻んでくる。

歌い終わると、ヴァイオリンを肩から下ろし土浦に微笑みながら

「土浦君。お誕生日おめでとう。」
と、言った。
そんな香穂子に顔を赤らめながら『サンキュ。』と、笑い返した。

「これ、お前が作ったのか?」
目の前にあるケーキをみて尋ねる。

「うん。頑張っちゃった。お昼に一緒に食べようと思って。」
と、舌を少し出してわらった。

「でも、この1ってのはなんだ?」
ケーキの上に刺さっている数字の1というろうそくを指す。

「それはね、
私が、土浦君と付き合いだしてからの一回目の誕生日だったから。」
赤くなった頬をさらに赤くして、俯きながら目だけは上目遣いで土浦を見ながら言った


「香穂。」
そう呼び抱きしめたい衝動を必死に我慢して、香穂子の頬にそっと手を伸ばす。

頬に触れると香穂子が『ビクッ』と、揺れる。
そんな仕草も土浦には愛おしく思えて立ち上がり我慢しきれなくなり香穂子を
そっと抱きしめた。

「ありがとう。」
と、土浦の低くて優しい声で香穂子の耳元で囁けば。
香穂子の顔がこれ以上紅くなりようがないというほど『ぼっ。』と、噴火したかのように
赤くなった。

土浦の腕にスッポリと包まれている香穂子が

「土浦君。もう一つプレゼントがあるの。」
と、腕に中から潤んだ瞳で土浦を見上げプレゼントを取りに土浦から離れる。

今まであった温もりが急に無くなって寂しい気持ちになった土浦だったが
香穂子が『はい、これ。』と、差し出されてそんな気持ちを隠して
香穂子の手にある小さなを受け取った。

「開けてみてくれる?」
そう香穂子言われてモスグリーンの包装紙を
開けると細長い高級感のある木の箱が姿を現した。
一度香穂子の顔を見てから土浦は箱を開ける。

「お前、これ・・・・。」

土浦は、箱からタクトを取り出し握ってみる。

「何をあげたらいいかわからなくて、
楽器屋さんに行ってみたらこれを見つけたの。
これを握って指揮をしている土浦君を想像しれたら思わず買っちゃってたの。
でもね店員さんが言うには、最終的には使う人が使いやすいかそうじゃないかだって
言ってたんだ、だから舞台で使ってくれなくてもいいの。
その代わり、私にそのタクトで指揮している練習でもいいから見せてくれたら
それで満足だから。」
と、土浦の手にあるタクトを愛おしそうに眺めている。

「香穂・・・。」
そんな香穂子の気持ちが土浦はとても嬉しかった。

「こんな良いタクト練習用なんてもったいない。
俺が、この先舞台に上がることができたらその時に使わせてもらうよ。
勿論初舞台の時にな。
だから、その時まで傍にいろよな。」
自分の鼻の頭を指で掻きながら香穂子をちょっと見て笑った。

土浦の言った言葉に驚きつつも

「うん。ありがとう、楽しみにしてる。」
と、土浦に思わず抱きついた。
そしてそんな香穂子を土浦は優しく抱きとめる。

「土浦君。お誕生日おめでとう。そして、生まれてきてくれてありがとう。」
香穂子は今度は土浦の腕の中でそう呟く。

 

「ああ。ありがとう。香穂、最高のプレゼントだ。」

自然と身体を放すと見つめ合い赤くなった顔でどちらからともなく笑いあった。

そして「香穂。あの曲弾こうぜ。」と、土浦は鍵盤に手を置いた。

「うん。」と、頷くとヴァイオリンを構えた。
勿論弾くのはあの曲

         土浦君の誕生日をこうして祝えますように。
この先もずっと       
         香穂と誕生日を過ごせるように。

と、願いを込めて。


『愛の挨拶』を・・・。

 

 


                            

                                

                                おしまい。

 

 

 

 

 


あとがき

甘くなりました??
まとまってない気がするんです・・・。
愛の挨拶で良かったんでしょうか・・・。
そこは、ダッチの書いたものとして納得してください。
魔法と少し似ているように感じていますが、
土浦君vrとしていいですよね・・・・。


それより
練習室で何させちゃってるんですかね私は!!!

神聖な学び舎なのに・・・・。
まあ、でもつっちーの誕生日ということで大目に見てください。
なんだか、龍神の将臣君を書いているせいか被ります。
私だけでしょうか・・・。

取り敢えずつっちーの誕生日に間に合ってよかった!!!

ということでHAPPY BIRTHDAY 土浦君!!!!

 

                      だっち
                    2011・7・11

 

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