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主にネオロマ、乙女ゲームの二次、夢小説を連載しております。
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将臣ルート26です。

隣 2
 

 

目の前の人物を目の当たりにしたあそびの思考は春の穏やかな木漏れ日の中から、
冬の極寒の北国に突き落とされた。

「そんなあからさまに、嫌な顔されると傷つくって。」
苦い表情を浮かべている暁。

そんなに表情に出ていただろうか。
というか、彼が現れるまで今の今までスッカリ彼の存在を忘れていた・・・。
あんなに私を悩ませていたはずの彼のことを。

有川さん効果って凄いかも。
そう思うと自然とあそびは苦笑いを浮かべていた。

そんなあそびの様子に首を傾げながら暁は、ただ黙ってあそびを見ている。

「暁。今日こそちゃんと話をしよう。」
そう言って暁を見るあそびの目には迷いはなかった。

場所を移しあそびには珍しくお酒が出されるお店ではなくカフェに来ていた。

「珍しいね。あそびが夜にこんな店に入るなんて。」
あそびの目の前に腰をかけながら暁は少し驚いていた。

「うん。だってちゃんとしなきゃでしょ。」
暁の目の前にいるあそびはそう言って真剣な眼差しで暁を見た。

「・・・。」
それに対して暁は何かを感じ取ったのであろうか気まずそうに目を逸らした。

注文したコーヒーが来るのと同時にあそびは口を開いた。

「暁。私この話をするのは今日で最後にするから。」
目の前に運び込まれたコーヒーに口をつけた後話を続けた。

「暁。」
あそびが名を呼んだだけで暁の身体がビクット震える。

「私、暁と会うの今日で最後にするから。
私、好きな人ができたの。私その人には誠実でいたい。
もし私が彼の立場で以前付き合っていた人と仲良くなんてしていたら
嫌だもの。」
俯いて自分のコーヒーを見つめている暁を見ながら話を続ける。

「だから。もう今日限り暁とは会わない。決めたから。
好きとか嫌いとかじゃなくて。分かって欲しいの。
暁だって過去の私なんかに執着してないで、前を見て行って欲しい。
過去っていうのはさよく見えるっていうか、良いところしか思い出せなく
出来ているんだと思う。
あんな事して楽しかったな。とか幸せだったなとか。
でも実際は、喧嘩や嫌な事辛かった事って沢山あったし。
だから私達別れてしまったんでしょ?
なんでもそうじゃない?壊れたものはもう元の形には戻らない。
どんなに頑張っても同じようにはならないんだよ・・・・。
今の暁はそれを一生懸命に元に戻そうとしている。
元には戻らないことを知っているくせに・・・。」

「俺は!」
あそびの言葉を遮るように暁は声を上げた。

「そんなんじゃ。そんなんじゃ・・・・。
ない」
苦しそうな表情を浮かべて一度も口を付けていない
コーヒーカップを握り締めている。

「じゃあ、何だというの?結局暁どうしたいの?!」
暁が、どうして今頃私の前に現れてまた付き合いたいとういわけでもなく
友達としてやり直したいと思ったなんて、少しも理解できない。
でも、何かがあって過去に戻りたいと思ったことだけはわかる。
何かから逃げている。
そうとしか思えなかった。
壊れたものは元には戻らないといった後の彼の表情がそう語っていた。

でも、それを聞いてあげる役目はもう私ではないと思う。
きっともっと彼のことを考えて真摯に向き合ってくれる人がいると思う。
冷たい言い方だけど。
多分今の私には彼の求めていることには答えてあげられない。
だから、私は彼に決して何があったのとは聞かない。
聞いてはいけない気がしていた。

もっと早くにこうして強く言って
彼を突き放しておくべきだったのかもしれない。
私自身も振られて別れたのだからもっと冷たくできると思っていたのに、
案外自分はお人好しだったのかもしれない。

いや、結構ハッキリ言っていたと思う。彼が図太かったのかもしれな。
でも、どうやら今回の私の好きな人発言に気持ちがぐらついたのかもしれない。

「分かった・・・。」
俯いていた顔を上げるなりそう言う。

「え?!ほ、本当?」
意外とあっさりと引き下がってくれたと気が緩みそうになった次の瞬間

「でも、このままじゃ俺も気持ちの整理がつかない。
お前のその好きって言う奴に会わせて。」

「・・・・・。

<span style="font-size:x-large;">はっ?!</span>」

暁の言った言葉に頭がついて行かずに追いついたときには大声で声を
上げていた。


好きな人って・・・。

有川さんと会うっていうこと??

・・・・。

無理でしょう。って言うか。

<span style="font-size:x-large;">「何でそこまで

あんたにしなきゃならないのよ!!!」</span>

「なら、諦めない。」
そう言って涼しい顔で冷たくなったであろうコーヒーを口に運んだ。

「冷た&#12316;。」
そう言ってコーヒーを飲んでいる彼の顔にはもう先程様な憂いは無かった。

こここここ、こいつ&#12316;!!!!

さっきの私の話聞いてたのか!!


<span style="font-size:x-large;">「あんた何様なのよ!!!」
</span>

あまりの怒りに
ここがカフェだということをすっかり忘れて大声で叫んでしまうあそびを
コーヒーを片手に楽しそうに見ている暁であった。                         

                             


                            つづく

 

 


あとがき

暁最後に抵抗編という感じになりました。
いろいろ考えたんですけどシリアスで行こうかなとかも
でも、一応ギャグ小説を目指していたんので笑いを最後まで
持っていこうと思いました(笑)
更新早めとか言いつつ嘘をついてしまっていましたねm(_ _)m
あと、2、3話だと思いますのでお付き合いくださると嬉しいです♪

 

                だっち2011・10・23

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