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主にネオロマ、乙女ゲームの二次、夢小説を連載しております。
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名前 
 

 

今日は香穂子が調べものをしたいと言ってきたので練習室ではなく
図書館での待ち合わせとなった。

という訳で土浦は今まさにその図書館の前にいるのだが

「今日は一体何なんだ。全く・・・。」
自分の教室から香穂子との待ち合わせの図書館にくるまでの出来事を
思い出し不機嫌そうに溜息をつく。

実は土浦がここへ来るまでに合計5人に声をかけられた。

始めは志水いつものぼ〜とした口調で。
「こんにちは、土浦先輩。香穂先輩一緒じゃないんですか?じゃあ、今度
一緒に練習しましょうと伝えて下さい。」

次に冬海オドオドした様子で
「香穂先輩に先日はありがとうございました。とお伝えください。」

いつも煩い天羽
「土浦君香穂知らない?渡したいものあったんだけど。」

そして香穂事となるとの煩い加地
「土浦、これから練習?久しぶりに日野さんの演奏聞きたいな〜。」

極めつけは無駄に元気すぎる去年卒業した火原先輩。
「つっちうら!!!あれ?香穂ちゃんは今日一緒じゃないの?」

「全く次から次へとどいつもこいつも香穂香穂いいやがって。俺は、香穂
オマケかっつーんだよ。」

然も、加地以外は全員あいつの事香穂と呼びやがって・・・。
付き合っていく上でなんだかんだ言ってみんなから人気があるのは
承知の上だった。
競争率で言えば高い方だったと思う。

分かってはいるんだが。
なんだかそうそう気安く名前を呼ばれると面白くないわけで。

香穂子は何も悪いことしているわけでは無いのだが
自然と不機嫌な顔になってしまっていた。
そして、図書館にいるはずの香穂子のもとへ足を向けた。

二人で図書館に来るときにいつも座っている場所へ着くと
土浦は目の前で厚い音楽史の本を枕にスヤスヤと眠っている
香穂子を見つけて唖然とした。

「こんな無邪気な顔晒しながら寝やがって・・・。」
窓から差し込む日の光に照らされて香穂子の緋色の髪が更に赤く
キラキラと光って見える。

思わず土浦は香穂子のその髪を一房掬いとる。
サラサラと指の間からこぼれ落ちていく香穂子の髪。

愛おしそうに香穂子を見つめていたとき寝ているはずの香穂子が

「りょう・・・。」
辛うじて聞き取れるほどの小さな声でそう呟いた。
香穂子の顔を見ている限り起きている様子はない。
どうやら寝言のようだ。

「!!! ///。」
突然呼ばれた自分の名前に驚きよりも照れくささが先に来て
当然のことながら土浦は、もうこれ以上ないというくらい耳まで真っ赤に
なっていた。
恥ずかしくて仕方ないのだが香穂子に呼ばれることは土浦自信正直
驚くくらい心地がよかった。


土浦が真っ赤になって呆然と立ち尽くしていると
「う、う〜ん・・・。」
目の前で寝ていた香穂子の身体が揺れ始める。

「!!!!」
真っ赤な顔を見られるのが恥ずかしいのか目を覚まそうとする香穂子から
背を向け香穂子の横の椅子に腰をかけた。

「あ、あれ・・・?」
香穂子は目を擦りながら上半身を起した。

「土浦君?」
香穂子に背を向けて座っている土浦を不思議に思い声をかけた。

「お。おう。」
返事をしてくれたものの、なかなかこちらを向かない土浦に違和感を感じて

「土浦君?なにかあったの?」
と、土浦の方を覗き込むように顔を寄せる。

「な、なんにもね〜よ。」
素っ気なく答える土浦だったが

「土浦君!!顔真っ赤だよ!熱でもあるんじゃない!」
土浦の顔を見るなりそう言って慌てたように土浦の額に手をあてる。

「だ、大丈夫だよ。」
額にあてられた香穂子の手を退けさせた。

「土浦君。なんか変だよ?体調でも悪いの?さっきからこっち向かないし。
何か怒ってるの?」
香穂子が不安な表情を浮かべていることに土浦が気づき慌てて

「本当何でもねえよ・・・。」
そう言って香穂子の頭に手を置くとここに来るまで色々な人物に香穂子は?
と、散々尋ねられてうんざりしたということを苦笑いをしながら話した。

その話を聞いた香穂子は『ごめんね』と言って柔らか微笑みを浮かべた。

そんな香穂子を見て土浦は頬に優しく触れながら

「なぁ。俺の事名前で呼んでくれないか。」
気がつくと土浦はそう口に出していた。

「えっ?ど、どうしたの突然・・・。」
香穂子にそう言われてハッと我に返り頬から手を離し

「あっ、いや何でもない。今のは忘れてくれ。さっ、そろそろ練習しにでも行くか」
そう言って誤魔化すように香穂子に背を向け立ち上がろうとすると香穂子が、
制服の袖をギュッと握ってくる。
どうしたのかと振り返った瞬間

「り、梁。」
顔をほんのり桃色に染めて小さいけれどはっきりと香穂子は土浦の名を呼んだ。

「お前・・・。」

「恥ずかしいんだからあんまりみないでよ。」
上目遣いで恥ずかしそうに土浦を睨んでいる。

「香穂・・・。」

「私だってずっと呼びたかったんだよ。でも、その恥ずかしかったというか、
その呼ぶタイミングが分からなかったというか・・・。」

「サンキュー・・な。でも、名前くらいでそんなに毎回照れていたら
こっちが恥ずかしいから、早く慣れてくれよ。」
そう言って照れ隠しもあって激しく香穂子の頭を撫でた。

「う、うん。努力します・・・。」

「じゃあ、試しにもう一回だな。」
そう言うと意地悪そうに笑う。

「えっ?!」
狼狽えている香穂子を見て

「努力するっていっただろ?」

「う〜。り、梁。」
香穂子は先程の同様に再び頬を桃色に染めて呼ぶ。

「香穂。」
土浦は優しく香穂子の名を呼ぶ。

恥ずかしくて俯いていた香穂子が土浦を見上げる、
そして二人は優しく微笑み合う。

「なんか、恥ずかしいけど。嬉しい。
本当の恋人同士になれたみたいな気がするね。」

「おい。それじゃあ、今までは何だったんだよ。」

「あっ。そっか!へへへ。」

「ヘヘヘじゃねえよ。」

「その、梁これからもよろしくね。」
と、香穂子はヘラヘラと笑いながら言った。

「ああ。当たり前だ。」
そう言って香穂子のおデコに軽くデコピンをする。

名前なんて些細なことだ。
でも、そんな些細なことでもここまで嬉しい気持ちになれるのは
お前の口から俺の名を聞けるからなんだろうな。
家族以外に名を呼ばれるなんて考えたこともなかったけど
お前に呼ばれるなら悪くはないな。
こうやって一つ一つ二人で共有する何かがこれからも増えるんだろうな。

「じゃあ、行くか!」
そう言って香穂子に自分の手を差し出す。
躊躇うことなく香穂子は差し出されたその手を握り
「うん。」
元気な声でそう返事をする。

そして、一瞬見つめ合いそのまま練習室へと消えていった。

二人は気がつかないかもしれないが、
今日は今まで一番綺麗な音となって
二人の音は校内に響きわたったのはいうまでもない。

 

 

 

                   おしまい

 

 


あとがき

こんな感じでどうでしょうか??
土浦君キャラ違うくない?
なんてことはなかったでしょうか。
不安です〜。
ヤキモチ少しだけ焼いてもらっちゃいました(笑)
ヤキモチ焼いてもらうの大好きなんです♥特に土浦君に!
甘さ的にはまあまあかな・・・。
感想など頂けたら泣いて喜びます。

では、次回は加地君に挑戦です!
いつになるかな??
来月は加地君誕生日SSもあるから頑張らなきゃ!
龍神もラストスパートだしね〜!!

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