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主にネオロマ、乙女ゲームの二次、夢小説を連載しております。
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ヒノエルート 11です。

貸しの代償 7


「それよりも今度は僕の質問に答えてもらっていいですか?」
弁慶を見て放心状態のあそび見ながら楽しそうに笑いながら言った。

「あっ。はい。えっと、答えたいんですけどよくわからないんですよね。」
バツが悪そうに苦笑いを浮かべながら弁慶に答える。

「どういうことですか?」
あそびの言っていることがイマイチ理解できないそう言って、弁慶は不思議な顔をしてあそびを見ている。

「えっと。藤いや、ヒノエ君に連れてこられたんです。」

「ヒノエに、ですか?」
弁慶の顔が一瞬にして険しい表情に変わる。

「ヒノ、って武蔵坊さんヒノエ君知ってるんですか?」
口元に手を当て俯き加減で考え込んでいた弁慶があそびの言葉で顔を上げた。

「ええ、湛増のことでしょう。」

「はい、そうですけど。武蔵坊さんってヒノエ君と仕事以外で知り合いだったんですか?」

「ええ。湛増いえヒノエは僕の甥ですから。」

「へ〜。そうだったんです・・・。え〜〜!!!!」
自分の大声に驚いて慌てて口を手で塞いだ。

お、お、甥?甥って
オイとかってツッコミに使うやつではないいよね。
でも、よく考えてみればヒノエ君が藤原財閥の当主の一人息子で、武蔵坊さんが当主の弟なんだから当たり前といえば当たり前なんだよね。
ということは、やっぱりヒノエ君は藤原財閥のあの湛増と同一人物そういうことなんだよね。
「水森さん?」
弁慶名前を呼ばれる頃には状況が何となく掴めて冷静さを取り戻しつつあった。

「あっ。すみません、色々頭で整理していて。」

「ならいいんですが。それより、水森さんヒノエときたと言っていましたが肝心のヒノエはどうしたんですか?」

「あっ。」
弁慶に言われるまでスッポリと自分が元いた部屋に戻れずに迷子になっていることを忘れていた。


やばっ。
弁慶さんに会って驚いたせいでスッカリ忘れていました。
今の自分の状況・・・。

そんなあそびの表情を見て

「その表情からすると、ヒノエに黙って出てきたのに迷って帰れなくなったそんな感じですか?」

「!!!」
ズバリ言い当てられたあそびは目を丸くして弁慶を見ていた。

「おやおや、当たってしまいましたか。」
弁慶自身も当たるとは思っていなかったのか、少し驚いた表情を浮かべたがすぐ元の笑顔に戻り

「では、水森さんをもとにいた場所に戻さなくてはですね。ヒノエも探しているかもしれませんし。」
そう言っている弁慶はなんだかとても楽しそうであった。

「す、すみません。お願いできますか。」
弁慶の必要以上に嬉しそうな表情は気になるものの、
このまま分けが分からないままさまよって居てもたどり着くとは到底思えないため、
素直に弁慶にお願いすることにした。

「いえ、いいんですよ。
困っている女性を放って置けるほど僕は甲斐性なしではないつもりですよ。」
そう言ってフフと笑われるあそび。

「ありがとうございます。
あと言いにくいんですが私元いた場所がどこなのか全くわからなくて・・・。」
申し訳なさそうに上目使いで弁慶をちらっと見た。

「大丈夫ですよ。藤原家親族が使う控え室はそれほど多くないですから、
それにヒノエが使う部屋は大体目星は付きますから。」
そう言って笑う弁慶を今日ほど頼もしく思える日があったであろうか。

武蔵坊さんがが居てくれて良かった〜。
あそびは心からそう思っていた。
今だけは・・・。

弁慶と何気ない会話をしながらのんびり歩くあそび。

腕をどうぞと弁慶の腕を差し出された『いいです。』と、
断ったもののその後履きなれない靴のせいでよろけてしまい、
結局弁慶の腕を借りることにしたのだった。

そして恐らくなれていない服装に靴歩きにくいあそびを気遣って
弁慶がゆっくり歩いているのであろう。

こういう事を自然にできてしまう弁慶を尊敬せざるおえないあそびだった。


「あっ、そうです。良かったら後で一曲踊ってもらってもいいですか?」
隣を歩く弁慶から急にそう申し込まれる。

「踊る??」
隣を歩く弁慶を見上げながら尋ねる。

「はい。
まあ、形だけですが、今日は一応ワルツなども踊れるようになっているんですよ。」

そう優しく微笑んでいる弁慶をよそにあそびはなにやら考え込んでいる。




わるつ。


・・・・。


「ワルツですよ。」
あそびの心を読んだのかそう弁慶に微笑まれた。

「ワルツって、あの舞踏会とかで踊っているのですか?」
引き攣りながら一応念のために聞いておく。

「ええ。そうですよ。」

・・・・。

踊れるわけねじゃね〜か。
私は一般庶民ですよ。そんな特技持ち合わせていませんから。

「僕じゃ役不足ですか?」
隣で寂しそうに目をウルウルさせてあそびを見ている。

だから、その顔卑怯ですから。
それになんだか今日はいつもよりかっこよく色っぽく見えるし・・・。

だいたい役不足の前に踊れないという選択肢は持ち合わせていなんですか。
あなたは!!

そして、あそびは色々お世話になって断るのに気が引けたがなにせ踊れない・・・。
なので踊れないことを弁慶伝えようとしたその時


「よくわかっているじゃん。あんたじゃ役不足だね。」

二人の後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

この声!!

振り返るとあからさまに不機嫌な顔をしたヒノエが冷たい目で弁慶を睨んでいた。



                

               つづく

                 


あとがき

お久しぶりです(゚∀゚ )
スッカリ年も明けてしまっていますね・・・。
もう少し早くの更新予定でしたが(^^ゞ
時間が経つのは早いな・・・。
言い訳でした・・・。
久しぶりの更新でしたがヒノエがほんの少しだけだった。
サテサテ弁慶VSヒノエ次回をお楽しみに!

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