忍者ブログ
主にネオロマ、乙女ゲームの二次、夢小説を連載しております。
 75 |  74 |  73 |  72 |  71 |  70 |  69 |  68 |  67 |  66 |  65 |
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ヒノエルート 6です。

貸しの代償 2




「あそび」
余りにも美味しくて食べることに夢中だったあそびは
名前を呼ばれて目の前の湛増に視線だけ向けて。

「ナニ?どうしたの?」
と、答えた。


「全くあそびは色気より食い気ってな感じだね。
それよりさ、あそびに少し頼み事があるんだ。」
湛増には少し珍しく真面目な表情であそびを見つめる。
深紅の瞳にそう真面目に見つめられると金縛りにかかったようにあそびの身体は動かなくなり、
その瞳に吸い込まれそうになってしまっていた。

「今週の休みなんだけど一日俺にくれない?」

「はっ?」
湛増の言った意味が分からずに間抜けな声を出す。


くれって。



「もしかして、休みの日に付き合えということ??」

「ああ。」

「なんで?」
顔をしかめながら口に運ぼうとしていた箸を置き湛増を見た。

「つれないね〜。あそび。俺の誘いを断るのはあそびくらいだぜ。」
そう言って軽く笑う。


凄い自信。

・・・・。

そんなことはないと思うけど断られたことないんだろうな。

「あそび。俺の誘い断るつもり??」
やけに楽しそうな笑顔であそびを見ている。


「そんなのあたりま・・・。」
そう言いかけて話すのをやめる。

もしかして藤原君。
あの時の貸しを・・・・・。

「あそび断るつもり?」
いつのまに来たのか湛増はあそびにのすぐ近くまで来ており
あそびの傍で色っぽくそう囁く。

「///!!」

「あそび」
再びそう囁かれてミルミル赤くなっていくあそび。

「ごめんごめん。少しからかい過ぎたね。」
そう言ってあそびから離れる。

「で?一日くれるのかい?あそびは。」

・・・・。

「断れないんでしょ?どうせ。」


赤くなっている顔を誤魔化そうと置いた箸を再び持ち料理を口に運ぶ。

「嫌なら断ればいいよ。」
そう言っている湛増だが表情がとても楽しそうだ。

くっ!!!

悔しすぎる。
でも、借りは借りだから。
さっさと済ましてもらってしまったほうがいいよね。
もしこれで断ったらもっと変なこと言われそうだし。

付き合えばいいんだよね、要は。
友達とあそびに行く感覚で行けばいいじゃない!!
そうだそう思おう!!


「分かった。付き合います。」

「ありがと、助かったよあそび。」
なんだか無邪気に喜ぶ湛増を見ていたら、そう悪くもないことかもと思い直してしまっていた。

湛増の『助かったよ。』という言葉の持つ意味も考えずに。

そして、その話が終わり二人はその日の夜遅くまで盛り上り、
あそびは次の休みというのが明日であることに全くというほど気がついていなかった。





翌日の朝の10時
『ブ〜、ブ〜』
先程から何度もテーブルの上に置いてある携帯が震えている。

当人とは言うとまだ布団の中で夢の世界だ。

「そんなに食べられな・・。むにゃむにゃ。」

然も今にもベットからずり落ちそうな格好で・・・。

そして、何度も鳴っていた携帯が止まった。

『ピンポーン』
携帯が鳴りやんだと思ったら今度は部屋のチャイムが鳴る。

『ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン』
何度も何度も嫌がらせかと思うほど。

さすがのあそびも夢の世界から現実の世界へ引き戻される。

「煩いな・・・。」

「ピンポーン、ピンポーン」
相変わらず鳴り止む、気配のないチャイム。

「誰よ、朝から。はいはい。」
チャイムが鳴り始めて10分くらい経った後
ベットからようやく身体を起こしインターホンへ向かった。

「はい。どなたですか?」
起きたばかりなのと昨夜結構な量の酒を飲んでいたせいで、嗄れた声ででる。

「あそび。迎えに来たぜ。」

「・・・。どなたですか??」

「声だけじゃ分かってもらえないなんて悲しいね。」
声だけで・・・・。

「もしかして藤原君??」

「正解。早く出てこいよ。さっ行くよあそび。」

「えっ??行く?何処に?」

「昨日言ったろ、一日付き合ってくれるって。」



・・・・・。
昨日??
ああ、あのことね。って
えっ??

「次の休みって、もしかして今日のこと???」
一気に覚醒したのか急に焦り出すあそび。

「ああ、そうだぜ。」
湛増にそう言われて慌てて壁にかかっている鏡で自分の格好を確認した。

とても今すぐ出かけられる姿ではない。というよりも人様にお見せ出来るような姿ではない。
ショートパンツにキャミソール方っぽの紐はずり落ちている、そんなラフな格好。
然も寝ていたのだからノーブラ、いつものごとく髪はボサボサで跳ねまくっている。
いつもよりさらに・・・。

酷い・・・。

自分の姿を見てあそびは真っ青になっていた。



             つづく





あとがき
この章は結構長くなりそうです(^。^;)
年内の終わるか微妙なところです・・・。
が、ちゃんと完結させますので!!
そのうち弁慶さんご出演予定です(-^〇^-)
ではでは、続き読みに来て頂けたら嬉しいです!!


            だっち2011・12・3

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人しか読むことができません)
♥ Admin ♥ Write ♥ Res ♥
カレンダー
02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
プロフィール
HN:
だっち
性別:
女性
職業:
主婦
自己紹介:
異国在住の平凡主婦です。
カウンター
最新コメント
[05/25 詩織]
ご協力お願いします
お気に入り
「華ヤカ哉、我ガ一族」公式サイト 「華ヤカ哉、我ガ一族」公式サイト 「華ヤカ哉、我ガ一族」公式サイト
忍者アナライズ
Copyright ©  異国の主婦の妄想空間  All Rights Reserved.
*Material by Pearl Box  *Template by tsukika忍者ブログ [PR]