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主にネオロマ、乙女ゲームの二次、夢小説を連載しております。
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ヒノエルート 7です。

貸しの代償 3

「あの。次の休みっていう選択肢なんてないよね・・・。」
インターフォンごしに取り敢えず遠慮がちに聞いてみる。

「何言ってるのって、もしかして今起きたのかい??」

「・・・・。今じゃないけど」
つい10分程前ですが・・・。


「取り敢えず中に入れてよ。」
そう言われてあそびはもう一度鏡で自分の姿を確認した。
無理でしょ。
この姿を世間の人様に晒すことなんてできない。

「あそび、俺を熱中症にするつもりかい?
今日も朝から暑いんだぜ。」

「・・・・。
じゃあ、5分待って。」
そういって返事も聞かずにインターホンを切ると大急ぎで着替え始めた。
人間焦っている時はおかしな行動を取るものだ。
着替える服を用意してから脱げばいいものを取り敢えずあそびは今着ている
服を脱ぎ出してほぼ裸に近い状況で、部屋の中着替えながら然もあちらこちら色々なものに
ぶつかりながらをウロウロしている。


ようやっとあそびは普段着に着替え終わり髪の撥ねている部分水で濡らして誤魔化す。
鏡で自分自身を確認する。
髪直っていない・・・。
撥ねてる・・・。
もういいや!!

そして、ぐるりと自分の部屋を見回した。

この部屋に藤原君が・・・。

無理無理無理無理無理!!!

散らかった服や雑誌など取り敢えずお風呂場に持っていく。

掃除機をかけたいがそんな時間はなく一通り綺麗になった部屋を見て。

これなら何とか誤魔化せるよね。
お風呂場なんて見ないと思うしね。

そして、鏡でもう一度最終チェックをして

いつもよりはマシでしょ。
髪はやっぱり直っていないけど
多分・・・大丈夫だと思う。

『ガチャリ』
と、部屋のドアを開けた。
ドアを開けたとたん外の熱い空気と強い日差しが入ってくる。

目を細めながらドアの外を見ると
額にうっすらと汗をかいて目を閉じている
湛増がドアの横の壁に寄りかかってが立っていた。

「遅くなりました。」
と、部屋に招き入れると

「邪魔するよ。」
そう爽やかに微笑みながら部屋に入ってきた。


湛増は冷えている部屋に入ると

「やっぱ夏はエアコンがないときついな。」
なんて言いながらあそびの部屋を見回している。

「特に何もないけど、ごめんね待たせちゃって。
何か飲む?っていっても、ビールか水しかないけど・・・。」

「あそびらしいね。
ビールと言いたいところだけど今日は車で来ているからね。水くれるかい??」

あそびのベットに腰を下ろして優しく笑った。

「う、うん。」
と、水を取りに行こうとしたとき湛増の足元にあるものに気がついた。

!!!

あれは、私の乙女ゲーム。
然も、18禁のお気に入りのやつ。
どうしよう、どうしよう。

水を取りいかずに急にオロオロしだしたあそび。

「どうしたんだい?あそび。」
そんなあそびの態度に首を傾げている湛増。

「な、な。なんでもないよ。あっ、ちょっとごめんね。」
湛増に近づきさり気なく足でゲームをベットの下に押し込んだ。

ごめんね足で、私の癒しの王子様たち。
と心で謝りながら。

「なんだい??」
そばに来たあそびを下から不思議そうな顔で見上げる。

「ううん。なんでもなかった。ごめんごめんみ、水だったよね?」
と、走って台所まで水を取りに行った。

これでなんとかバレないでしょ。

冷蔵庫から水を取り出し再び湛増の元に戻る。

「はい。水。」
と、湛増に水の入ったペットボトルを手渡そうとしたが
そのペットボトルはあそびの手から滑り落ちた。

あそびが目にしたものはテーブルの上に綺麗に並べられている
あそびのお気に入りの乙女ゲーム達。

然も、さっき足で泣く泣くベットの奥に押し込んだゲームも重ねられていた。

・・・・。

「あそび、こんなのやるんだ。」
ソフトを手に取りマジマジと眺めている。

奥に押し込んだ一番見られてはいけない18禁のゲームを。

真っ赤になりながらあそびは藤原の手にあるソフトを取り上げる。

「バ、バレてたの?」
真っ赤になりながらも湛増をキッと睨む。

「俺に隠し通せると思ってたのかい?」
いつもの自信たっぷりのあの笑顔をされる。

「・・・・。」
黙っているあそびの足元に落ちたペットボトルを拾い水を口に含む。

「まあ、個人の趣味にあれこれ言うつもりはないよ。」
ニヤリと笑った顔がなんとも憎たらしいが反論する言葉が
今のあそびには見つからなかった。

「それより、あそびそろそろ出かけたいんだけど
まさかその服で行くとか言わないよな。」
そう言われてゲームを握り締めて下を向いていたあそびが湛増を見た。

「えっ?」

「えっ?て、俺昨日言わなかったっけ?ドレスアップしてきてよって。」

あそびは昨日の記憶を頭をフル回転させて思い出している。
      ・
      ・
      ・
      ・
      ・
      ・

「あっ。そんなことって言っていた気がする。」

「だろ?」

「うん。確かに・・・。」

「なら、早く着替えておいでよ。」

「・・・・。」
着替えておいでよって。
ドレスアップだよね。
ドレスアップってやっぱりドレス着るってことだよね??

んなもんあるわけ無いじゃん!!!

そう思ったものの一応クローゼットの中を覗いてみる。

『は〜』
と、後ろで待っているはずの湛増に聞こえないように小さく溜息を付く。
いつも見慣れてる服しかない。

あるわけないよね。

「あの、藤原君そのドレスアップってスーツとかでもいいの?ってオワ〜」
いつの間に来たのか湛増は、
クローゼットを覗いているあそびの後ろから同じようにクローゼットを覗いていた。


「ビックリした。」


「酷いな〜。」
驚いているあそびを気にもとめずに、
そう言うと顔を顰めながら口元に手をあて考え込んでしまった。


酷いなって・・・・。
確かにオシャレとは縁遠いけどそんなストーレートに
然も男の人に言われるとショックなんだけど。
私も一応年頃の女ですから・・・。
藤原君なんか私に容赦ないよね。

私のこと嫌いなのかな・・・。

そんなことを湛増を見ながら考えていると

「仕方ないね・・・。ギリギリだな。」
腕時計を見ながらそう呟く

「行くよあそび。」
と、あそびの手を取り部屋を出ようとする。

「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっとどこに行くの!!」

「時間無いからとにかく必要なもん持って。」

「えっ?えっ?」
何が起こっているのか訳が分からないあそびはえっ?えっ?というだけで
動こうとしない。そんなあそびを見かねて

「財布と鍵と携帯ははこれか行くよ。」
湛増は空いてる方の手で
テーブルに上においてあったそれらを手に取ると外に飛び出した。



              

                      つづく







あとがき
ヒノエ動いてくれます(#^.^#)
意外に!
書いていて楽しくなってきました。
あと2話程したら弁慶さんご登場です!!
あと、あの方もね♥
誰かはまだ秘密です♪
では、続きも読みに来てくださいね〜!!

           だっち2011・12・7

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