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<span style="font-size:large;">有意義な休日の作り方。その3</span>
一人家でご飯なんて食べる気分じゃなかったので、学生時代アルバイト先で
仲良くなった先輩を呼び出した。
「郁恵さんここです〜。」
店に入ってきた郁恵に自分の座っているカウンター席から手を振った。
あそびに気がついて郁恵もまた手を上げて近づいてくる。
「おまたせ!!」
あそびの隣の席に腰を下ろす。
郁恵さんは、私が料理の専門学校に行っていたときに凄くお世話になった人。
一人暮らしを始めて戸惑っていた私を、助けてくれたり、
ご飯を食べに連れていったり、
お酒を教えてくれたもの郁恵さん、私にとって恩人の様な姉の様な存在の人。
そして料理の世界では私の憧れの人なの。
郁恵が座ってから飲みの物を注文すると
「急に呼び出してすみませんでした。」
おしぼりで手を拭いている郁恵に謝る。
「いいよ。私も丁度お酒飲みたい気分だったし。あそびにも会いたかったしね。」
と、優しく笑ってくれる。
「私も会いたかったです。どれ位ぶりですかね??」
「一年ぶりくらいかな??お互い仕事忙しいからね〜。仕方ないんじゃない?
でも、元気そうで良かった。」
運ばれてきたビールで乾杯をする。
さっきも言ったけど郁恵さんは私にお酒を教えてくれた人だ、
だからお酒にはメッポウ強い。
「やっぱり、最初の一杯のビールは美味しいね〜!!」
満足げに半分ほど飲み干すとグラスを置く。
「で、今日は何があったの?」
食べ物のメニューを見ながらさりげなく聞いてくる。
「うっっ?いくえさん・・・。」
メ二ューを見ている郁恵を見て苦笑いをした。
カウンターごしに注文を終えるとあそびをみて
「わからないわけないでしょ?あんたが、私に連絡とってくるときは
必ずと言っていいくらい落ち込んでるか、なんかやらかしてもう辞めます〜
とか言ってるんだから。で、何があったの?」
残りグラスのビールを飲みながら横目であそびを見ている。
郁恵には誤魔化しや嘘は通用しない。
あそびは、平家から龍神に最近職場が変わったことや今日あったことなど
心にあったモヤモヤを郁恵に全部話した。
「ふ〜ん。」
二杯目のビールを飲み干して、ドリンクメニューを見ている郁恵はそっけない返事をした。
「あそび、日本酒にしようか。七海山?久保川?どっちにする?」
「あの・・・?郁恵さん聞いてます?」
「飲むの?飲まないの?」
鋭い目であそびを睨む。
「・・・・七海山でお願いします。」
あそびは郁恵にはいろんな意味で、頭が上がらないのである。
なんか、武蔵坊さんと一緒にいたら大変なことになりそう・・・。
「了解!!」
上機嫌で注文をする。
「で、あんたはなんでそんなに落ち込んでるわけ?」
「だから、」
「だって、アンタのせいじゃないでしょ?梶原さんの事にしたって、
その源さんだったけ?
むさしっーか、あんたの店の人名前が言いにくし長い。」
一人でブツブツ言っている郁恵。
そんなこと私に言われても・・・。
困るんですが。
「まぁ、いいや。」
はやっ!いいんですか!?
やっぱりいろんな意味ですごいな郁恵さんって。
「話戻すよ。皆さあんたより大人なんだよ。大きな傷や秘密だってあるよ。
それにあんたにだって一つや二つあるでしょ、知られたくないことや秘密なこと
誰にだってあって当然なんだからさっ。」
「郁恵さん。」
「まあ、あんたが一番気にしてるのは梶原さんだったけ?
何時もどうりにするのがいいんじゃない?
優しい人なら余計にね。
あんたより気にしてるのは向かもしれないし。
それに、バツイチだからってなんのも変わらないでしょ?
失敗してるから悪いって事もないし。
失敗したから分かることも多いと思うよ。、
そういうのは、私には経験ないからわからないけどさ。
でも、痛みを知ってるって大事なことだよと思うんだよね私はさっ。
だから、あんたは今まで通り彼に接するのがいいんじゃない?」
郁恵の言うことに少し胸が軽くなる。
「郁恵さん。そうですよね。」
「さっ!!飲もうあそび!」
と、運ばれてきたお酒をのみはじめた。
郁恵に話したことでスッキリしたのか酒が進む進む。
二人で盛り上がってると私たちのところに酔っ払っている大学生らしき
男の子がやって来た。
「お姉さん達楽しそうですね!!一緒にどうですか?」
ナンパですか・・・。
しかも大学生に郁恵さん勿論断りますよね?
と、隣にいるはずの郁恵を見る。
いません・・・。
既に、ナンパらしきをしていた男の子と肩を組んでそちらの集団に向かっている。
『青年酒は好きか?』とかなんとか言って・・・。
「郁恵さ〜ん。待ってくださいよ。」
郁恵と自分の荷物を持って二人を追いかける。
なんだか、振り回されてる気がするんですが・・・。
二人を追いかけていくと、お座敷で学生が盛り上がっていた。
若いな〜。と学生達を見ていると中に見たことある顔がある。
『譲君!?』
壁にもたれ掛かって半分夢に中に足を突っ込んでるような顔をしている。
近くにいる学生に確認してみると『そうですよ、知り合いですか?』と逆に聞かれた。
譲に近づくと、かなり飲まされたのか
酒臭い・・・。
この間譲君どうだったっけ??
飲んでなかってような気がする。記憶があるまではだけど。
それに彼はまだ未成年じゃなかったかな・・・。
「大丈夫?譲君、わかる私水森だけど。」
話しかけてみる。
ゆっくりとあそびを見ると
「あれ〜??みじゅもりはんじゃないへすか。」
と、ニヤニヤしながら起き上がる。
・・・・。
譲君聞き取れないんですが・・・。
「どうしてここひいるんでしょか。」
少し赤くした顔にトロ〜んとした目で見つめられる。
///。
今日の譲君ギャップが激しいよ。
女の子はそのギャップに弱いのよ!!
それになんだか、妙に色っぽいんですけど譲君。
ズルイよ。
「大丈夫なの?こんなに飲んで、未成年でしょ?」
照れる自分を誤魔化しように少し怒ったように讓に言う。
「俺、今月20歳になるんですよ〜。」
今度は聞き取れる言葉で言ってくれた。
相変わらず酔ったままだが。
「そうなんだ。でも、こんなになるまで飲んだらダメだよ。」
心配そうに讓を見ると、
「このあいらの、水森なんに言われたくないです〜」
・・・・。
その件に関しては何も言えませんけど・・・。
「譲君、もう帰ったほうがいいんじゃない?ねっ?」
誰かにと、他の学生に声をかけようと周りを見た。
あれ?
・・・・・。
私たち以外誰もいないんですが・・・・。
静かになったなぁ〜とは思ってたんだけど
まさかこんなところで置いてきぼりをくらうなんて・・・。
郁恵さんは??
と携帯で電話をしようとしたときメールが一件入ってきた。
『ごめん。急用が入って先に帰るね〜。お会計はしておいたから。
またね〜。』
声もかけずに郁恵さん。
さようですか・・・・。
学生の中に私を置き去りにして郁恵さん・・・。
御馳走様でした。
まぁ。その学生たちにも置いて行かれたんですけどね・・・。
そんなに存在感無かったかな?
そう言えばそんなこと考えてる暇なかったんだった。
譲君だ!!
と、讓を見ると
『すー、すー、すー』
気持ち良さそうに寝ている。
余程眠かったんだね〜。
うんうん。気持ちよさそうだね〜
<strong>ぢゃね〜よ!</strong>
こんな所で寝られたら私どうしたらいいのよ!!!
起きる気配もない。
おんぶできるほど私は力持ちじゃない。
このまま放置?
出来るわかないじゃん。
<span style="font-size:large;">どうしたらいいのよ〜!!!</span>
つづく
あとがき
前半少し暗くなってしまいました。
堪にはいいですよね!!
あと一話で休日編終わる予定です。
個人ルートはまだ迷い中です。
だっち
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