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主にネオロマ、乙女ゲームの二次、夢小説を連載しております。
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次回最終回です。

 突然の電話に驚きつつも、傍にあったベンチに腰をかけ
 慌てて携帯の通話ボタンを押した。
 
 「も、もしもし。」
 慌てて出たせいか、香穂子は声が上ずってしまった。

 「もしもし、月森だが。」
 と、月森に言われて、
 
 『分かっているよ。メモリーにきちんと入ってるんだから。』
 
 と、などとも思いながら日本に居る時から電話くれる度に
 律儀に、最初に自分の名を語る月森が月森らしくて香穂子は
 とても好きだった。

 「すまないこんな大事な時に突然電話なんかしてしまって。
  電話してしまってからで申し訳ないんだが。
  その今、大丈夫だろうか?」
  月森には珍しく遠慮がちにきいてくる。

 何かあったのかな?と、思いながらも
 「大丈夫だよ。」
 と、答える。
 
 よほど、気にしていたのかその言葉に安心した様子だった。
 
 「なら良かった。本当は昨夜電話するつもりだったんだ。
  でも急に外せない用事が入ってしまって。
  その、メールだけで電話できずにすまなかった。」
  謝る月森に慌てて、

 「そんなことないよ。私月森君のメール凄く嬉しかったんだよ。
  だから、謝らないで。」

 「その、こんな時に気の利いた言葉でもメールに入れられればよかったんだが。
  俺はそういうことには、気が回らないんだ。
  すまない・・・。」

 「月森君・・。私の話聞いてた?私嬉しかったんだよ。本当に。」

 「しかし。」
 月森が何かを言おうとしたが、香穂子がそれを遮る形で話し出した。

 「それに、いまこうやって私の為に電話してきてくれたじゃない。
  その気持ちで十分だよ。
  ありがとう。
  ビックリしたけど本当に嬉しい。」

 「そうか。ならよかった。」
 ふと、月森が受話器の向こうで優しく笑った。

 「そう言えば、月森君今そっち夜中なんじゃないの?」
 月森が居るウィーンとは時差が7時間。
 間違い無く夜中だ。

 「そうだが、気にしないで欲しい。」

 「でも、疲れてるのに。睡眠時間削っちゃってごめんね。」
 申し訳なさそうに謝る香穂子に 

 「謝らないで欲しい。俺がしたくてしたのだから。
  それに、君の傍に居られないせめてこれくらいはさせてくれ。」
 月森は月森なりに香穂子の傍に居られないこと後ろめたく感じていた。

 「月森君。その気持ちだけで十分だよ。ありがとう。」
 月森の気持ちが本当に嬉しくて、涙がでそうだった。

 「いや・・・。
  もしかしたら、
  <span style="font-size:x-small;">単に俺は君の声を聞きたかっただけなのかもしれないな。こんな大事な時なのに・・。</span>
  だから、電話にでてくれてありがとう。」
  月森の声が小さくて全部聞こえなかったのか。
  香穂子は、もう一度言って欲しいとたんんだが、大したことではないから
  気にしないで欲しいと返ってきてしまった。
 

  「月森君。実はね、私月森君が電話くれるまで自分ではどうしようもないくらい
   緊張してて、ステージに立つのが怖かったの。
   調弦できないほど手も震えていたんだよ。
   心を落ち着かせるために、外に出て月森君のメール見ていたんだよ。
   そしたら月森君から電話があったの。
   ビックリしたけど、そのすごくうれしかったの。」
   
  月森と電話で話すうちに香穂子の緊張していた心は
  先程の緊張が嘘のかのように落ち着きを取り戻していた。

  「それに、
   今は不思議なくらい心が落ち着いて、あったかい気持ち一杯なんだよ。
   だから、私からお礼を言わせて。
   電話をくれて、声を聞かせてくれて、ありがとう。」
   膝においていたヴァイオリをそっと抱きしめていう。
  
  「香穂子・・・。君は、いや。コンクール頑張ってくれ。
   俺は、君を、君の音楽を信じているから。」
   
  最初は手放してしまいそうになった彼女。
  今でもなんの約束のできない未来。
  でも、彼女はそれでもいい。
  自分が行くからと言ってくれた。
  真っ直ぐで強い彼女。
  もう、手放すことなんて自分には出来ないだろう。
  思考の深いところにいた月森は香穂子の声で我に返る。
  
 「月森君、凄く厚かましいのは分ってるんだけど、一つだけお願いしてもいいかな?」
  頼み事を滅多にしてこない香穂子からの頼み事に驚きつつも

  「俺に出来ることなら。」
  と、すんなりと了承する。  
  
  「月森君の言葉で私に魔法をかけて欲しいの。
   コンクールを頑張れる、
   そして、月森君の所に行ける
   魔法のコトバを。」

 

 

 

                                  つづく

 

 

 

 

 

      あとがき

 か、書けました。
 何とかUPにこぎ着けました。
 とりあえず、よかった&#12316;。

 さて、月森君はどんな言葉を言うのでしょうかね&#12316;。
 知りたいですよね!!
 私も知りたい&#9829;(知ってるんじゃ無いのかい&#12316;)
 フッフッフッ。
 秘密ですよ&#12316;

 さてさて、内容は相変わらずですが&#9829;
 月森君ってこんなキャラだったっけ?と、思うところも有りましたが・・。

 おそらく、月森君なら、大事なコンクールのしかも直前に電話なんて
 絶対ありえないと思いつつも、電話貰ったら嬉しいだろうなと、思い。
 電話させちゃいました&#9829;

 イヨイヨ次回最終回でございます。

 あと一話お付き合いいただけると嬉しいです。

 気に入っていただければ、拍手をポチっと&#9829;
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   (けして強要ではございませんよ。あったら嬉しいですけど) 
 では、また遊びにきてくださいね。

 

                         だっち

                  2011・6・21

 

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