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主にネオロマ、乙女ゲームの二次、夢小説を連載しております。
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魔法のコトバ6です。

深夜香穂子は眠れずにいた。

  先程月森に久々となるメールを送った。
  自分のベットで枕を抱きしめて何度も何度も寝返りをうつ。
  
  先程月森に送ったメールの事を考えると何となく

  『眠れない』
 
  「ちょっと、大胆すぎたかな・・・。」
   などと言ってももうメールはとっくに送信済みだった。
   でも、何十回と読み直したんだからあれでよかったんだ。
   だって、私のホントの気持ちだから。
 
   「迷惑だったかな・・・・。」
   ポツリとつぶやく。

   『ブーブーブー』
   机の上で携帯が震えていた。
   メールかなと、机に取りに行く。
   
   携帯のディスプレイ見て
   「えっ?!月森君?」
   ドキドキする胸を抑えて慌てて通話ボタンを押す。
  
   「もしもし。」
    
   「もしもし、月森だがこんな深夜にすまない。」
   一ヶ月ぶりに聞くはずの彼の声は香穂子の心にストンと入ってきた。

   「ううん。大丈夫。急に電話が鳴ってびっくりしたけど
    まだ起きていたから。」   
    
   「なら、よかった。その、メールありがとう。」

   「えっ!?あっ、うん。」

   「その、嬉しかった。」
   
   「うん。でも、その一方的に私の思っていることを言って月森君の
   気持ちとか全然考えてなくて。むしろ私が・・・。」

   「それでも、俺は嬉しかったんだ。」

   「そ、そっか。」

   「ああ。俺は日本を発つとき君に何も約束をすることができなかった。
   何の確証のない未来・・・。そんな自分が君にかける言葉がなかった。
   音楽と君両方手に入られるほど俺はそんな器用な人間じゃない。
   音楽は俺の全て、だから俺も俺の全てで音楽に挑む。」

   「わかってる。だから」

   「頼むから俺の話を香穂子聞いてくれ。」

   「うん。」
 
   香穂子は月森の言葉にただ今は頷くしかなかった。         

   「だけど、ふと気がつくと君のことを考えている自分が居るんだ。
    曲を弾いているとき、曲想をねっているとき、もし君ならば
    どう弾くのだろう 
    どう感じるのだろう。
    自分でも気が付かないうちに君という存在が俺の中で
    切っても切れない存在になっていた。
    そして、君のメールではっきりと分かったんだ。
    俺のこの空虚な気持ちを埋めることが出来るのは
    君しかいないということが。
    今更、君に俺が言う資格はないのかもしれない。
    でも、許されるなら・・・。」
 
    と、言うと月森は黙ってしまった。

   「月森君。お願い言って、言って欲しい。月森君の気持ちを教えて。」
    今にも消えそうな弱々しい声で伝える。
   
   「俺は、今でも君のことが好きだ。
    君の声も、その笑顔も、君の手も、君の音も
    全て俺にとってかけがえのないものなんだ。」
  
    『ポタ、ポタ』
    香穂子の目から堪えていたものがこぼれ落ちる。止め度となく。
    
    「つきもりく…ん。」
    
    「香穂子?泣いているのか?す、すまない。」

    「ちがっ、違うの。嬉しくて、嬉しすぎて涙が止まらないの。」
   
    「香穂子…。」

    「ありがとう。ありがとう。」

    「いや、礼を言わなければならないのは俺の方だ。
     君からメールがなければ俺は、まだ自分の気持ちに
     正直になれずにいただろう。
     だから、ありがとう。香穂子。」
    
     電話越しだから顔は見えないはずなのに月森が優しく笑った顔が
     見えた気がした。
    
    「それに、こんな夜中に電話して
     時間を気にしてないわけではなかったんだが…
     そのどうしても君の声を聞きたいという気持ちが
     抑えられなかったんだ。
     <span style="font-size:x-small;">俺は君の事となると抑えが効かないらしい。</span>」

    「えっ!?」
   
    「いや、今のは忘れてくれ。」
   
     いつしか涙は止まり電話越しの香穂子の顔は
     茹でダコのように真っ赤であった。
      
    「月森君…。私頑張るからいつか、いつか、
     必ず隣に立っても恥ずかしくない
     私になるから。だから。」
    
    「香穂子…。ありがとう俺も早く君に相応しい演奏家になるよう努力する。
     二人の道がまた交わるその日まで。」

    「うん。また、こうして連絡してもいいかな?」

    「もちろんだ。俺も頻繁にとはいかないが連絡してもいいだろうか。」

    「うん。嬉しい。」

    「ありがとう。
     香穂子、これだけは覚えていて欲しい。
     たとえ、どれだけ長い間君に会えなかったとしても
     俺の君を好きだという気持ちは変わらない。
     変わようがないんだ。」
      
    「月森君…。ありがとう。私も、私も月森君が好き。
     そして、これからも。」 

    「ありがとう。」

    「なんだか、お互いお礼ばかり言ってるね。」
     
    「そうだな。でも、何度でも言いたいんだ。」

    「う、うん。」
    
    「コンクール頑張ってくれ。応援しているから。」

    「うん。ありがとう。精一杯やってみるね。月森君も色々大変だと思うけど
     いつも応援してるから。」

    「ああ。そういえば、ずいぶんと話し込んでしまったみたいだな。
     明日も学校だろ?」

    「うん。」

    「まだ話したいたいが、そろそろ休んだほうがいい。」
 
    「うん。そうだね。」
            ドキドキして眠れそうもないけど…。

    「じゃあ、名残惜しいが。そのおやすみ。」

    「うん。おやすみなさい。」


    と、電話を切った。
    しばらく香穂子は呆然としていた。
    
    夢じゃないよね…。
    
    止まったはずの涙がまた溢れ出す。
    嬉しくてたまらず…。
   
    また明日から頑張れるそう感じてやまなかった。

    結局一晩涙が止まらず次の日瞼が思った以上に腫れて学校で
    笑われたのは言うまでもない。

                           
                           つづく

 


  あとがき 
 ほとんどが会話の文になってしまいました。

 ちゃんと伝わったかな?心配です。
 
 月森君のイメージ私の中ではこんな感じなんですが…。
 
 もっと硬いようなイメージもするけど、ほんとに香穂ちゃんが好きだと

 こんな感じになるかな&#12316;と思ったので。

 後半戦頑張っていこう&#12316;!!

 よろしかったらまた読みに来てください&#12316;。


                       だっち 
                  2011・6.13

 

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