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主にネオロマ、乙女ゲームの二次、夢小説を連載しております。
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今回は月森君が久しぶりに帰国してくるというお話になっています。
SSなので続きものではないのですが、前作のSSとなんとなく繋がっている感じの
作品です。
と言っても前作を読まなくても大丈夫になっいていますので。
そして今回の香穂ちゃんは泣き虫な感じになっていますので。
では相変わらずの駄作文ですが。
どうぞ・・・。

設定は2fアンコールから3年後位です。


重なる唇。
香穂子side




高鳴る胸を押さえて今か今かと落ち着かない様子で香穂子は国際空港の到着ロビーにいた。

ある人物に会うために。
落ち着かなくちゃ。
そう思い深呼吸をする。
今日は彼が久しぶりに日本に帰っくる。
そう、月森君が。
考えただけて嬉しくそしてドキドキする。
どんな顔をして会えばいいのか、なんて声をかければいいのか。
昨夜色々考えていたら眠れなくなっちゃって、
ようやく眠れたのはうっすらと夜が明けてきちゃったんだよね。

沢山の人の中から彼を探す。

何処、

どこ、

あれも違う

あれも

あれは・・・


あっ・・。

香穂子の視界に彼が映った瞬間うるさいはずの周りの音は聞こえ無くなり
まるでそこには彼と自分しか存在しないような錯覚に陥った。
そして時が止まったかのように香穂子は彼を見つめ続けていた。


そんな香穂子に気がついたのか
ゆっくりまるで香穂子にはスローモーションの様に彼が近づいてくるように写っている。
一歩また一歩と。

昨夜一生懸命に考えた月森を出迎えるための
とびきりの笑顔なんてできる余裕が今の香穂子のはない。
自分の元に少しづつ近づいて来る月森から一瞬たりとも
視線を外せないでいる。

そして、月森が目の前で立ち止まった。

自分がいるのになんの反応もなく放心状態の香穂子を見るなり月森は
心配そうに声を掛ける。

「香穂子?」
自分の名前を聞いた瞬間
我慢していた何かが香穂子中で弾けた。
そしてそれと同時に香穂子の瞳からは大粒の涙がいくつもいくつも溢れていた。
拭うこともせずに只々涙を零しながら目の前にいる月森を見つめ続けていた。

そんな様子の香穂子に月森は益々驚き心配そうに香穂子に声を掛ける。


これは、夢?
月森君が目の前にいる。
夢じゃないよね。

「夢・・・じゃない・・・よね?」
今の現実を確認するかの様に香穂子はとぎれとぎれに呟いた。

困った表情を浮かべながらも月森は優しく

「夢ではない、香穂子。」
手にもっていた荷物を下に置くと香穂子の手を取った。

「暖かい。」
そう言うと香穂子は目を大きく見開いて顔を歪ませて月森に抱きついた。

「夢じゃない、夢なんかじゃないんだ。会いたかった。会いたかったよ月森君。」
言ってはいけない言葉だと思っていた。
会いたいと会いたかったと。
彼を困らせるだけだと
でも、思いとは裏腹に驚くくらい素直に出てきてしまっていた。

急に抱きつかれて驚いた月森だったが子供様に泣きじゃくって自分の身体に必死に
しがみついている香穂子を見て。

「俺も会いたかった。」
そう言って月森も優しく包み込むように香穂子を抱きしめた。

夢じゃないんだ。夢なんかじゃない。
この声、この香り、この温もり本物なんだ、本物の月森くんなんだ!
どれだけこの日を待ちわびただろうそしてどれだけ寂しい思いをしてきただろう
自分の気持ちを押さえつけ、只管(ひたすら)に音楽と向かい合った少しでも彼に近づきたくて、
彼の横に立つのが恥ずかしくない様に。
でも、本当は
会いたくて、傍で声を聞きたくて、触れたくて、温もりを感じたくて、
そしてその彼が今自分の前にいる。

今どんな顔をしているなんてどうでもよかった。
ただ彼が此処に居てくれることがどんなに幸せで嬉しいか。
でも、今そのことを彼に伝える術を香穂子は持っていない。

必死にしがみつき現実だと彼が今ここにいるのが現実だと言うこと自分に刻むことに必死で。

「香穂子」
優しい声色で月森が香穂子を呼ぶ。

月森の腕の中で香穂子は

「もしかしたら、今日のこと夢なんじゃないかと思ったの。
何度も何度も
月森君が傍まで来て触れようとした瞬間消えてしまう夢を見てたから。
だから今もまだ信じられない。
私のこの手を離してしまったら消えてしまうんじゃないかって
離れてしまったら夢から醒めてしまうんじゃなかって。」

「香穂子・・・。」

「ごめんね。だからもう少しでいい、あと少しだけいいから、このままで居てほしいの。」

「・・・分かった。君が安心できるまで俺はこうしていよう。
だけど顔を見せて欲しい。随分と会っていなかったから君の顔が見たいんだ。」

「でも、ひどい顔してる。泣いたせいでお化粧も取れてると思うし、グチャグチャ
だと思うから・・・。」

「構わない。俺は君の顔が見たい。」

「本当に笑わないでよ・・。」

「ああ。」
月森の答えを聞くと月森の胸にあった自分の顔をゆっくりとあげた。

顔を上げるとそこには優しく微笑んでいる月森の顔があった。

「香穂子、君は綺麗になったな。」
そう言ってそっと香穂子の頬に触れる。

「///。
そんな事無い・・。それ言ったら月森君の方が前よりもっと素敵でかっこよくなってる。」
照れながら拗ねたように月森〜視線を外らしてしまう。

付き合う前から月森君はかっこよくて素敵だった。
そう初めから王子様みたいだった。
だからそんなこと言われたら・・・。

「本当だ。香穂子綺麗になった。だから、もう一度顔を上げてくれないか。」
さらに優しくそう囁く。

ズルイそんな優しく囁かれたら。
上目遣いで睨むように月森をもう一度見る。
でも、その表情ががどこまでも柔らかく優しくて再び止まっていた涙がポロリとこぼれ落ちた。

そしてゆっくりと近づいてくる月森に自然と瞳を閉じた。


暖かい月森の感触が香穂子の唇に重なる。
今こうして月森を肌で感じられるそれはとても甘美で幸せな時間。

この時間が永遠に続く事は今はかなわない願い。
二人はそう遠くない未来にまた離れ離れになってしまう。
でも、今、今だけはこうして何も考えずに彼の温もりに包まれていたい。

重なっていた唇が離れ瞳を開くと小さな小さな声で香穂子は

「おかえりなさい月森君。」
そう呟いた。

「ああ。ただいま香穂子。」
空港のロビーの沢山の人が行き交う中二人は再び唇を重ねる。
会えなかった時間を埋めえわせるように先程よりも長くて深い口づけを・・・。




              おいまい

   





あとがき
えっと、ですね・・。
クリスマスの時にお約束していたSSの続きのような感じ書いてみました。
もう少し早めのUPを目指していたのですが(´ε`;)
今回のお話は中途半端な気もするのですが、そのうち続編っぽいのも書いてみたい気もします。
そして、う〜この話の月森君Vverも書きたいんですけどね・・。
いつになることやら。
気がついたらもう2月!!
2月と言えばVDではないですか・・・。
今年はどうしようかな・・。
土浦君でいこうか加地君で行こうかそれとも将臣君で行こうか・・・。
妄想中ですが間に合うか・・・。
微妙です(^^ゞ
では、次回は月森君ver出会えることを祈っています!
か、VDか龍神かもしれませんが(^^ゞ

       だっち2012・2・7

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