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主にネオロマ、乙女ゲームの二次、夢小説を連載しております。
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土日の設定ですが高校3年生で香穂子が土浦の母親の音楽教室でピアノ
を習っているという設定にしてあります。



温もり・・。



「今日はすまなかったな。」
土浦は申し訳なさそうに隣を歩く香穂子に謝罪の言葉をかける。

「えっ??なんで?」
そう言って首を傾げながらそんな土浦を見つめる。

「何でって・・。お前今日がなんの日か知ってるんだろ。」
少しだけ不機嫌そう表情をして香穂子を見る。

「うん。知ってる。クリスマスでしょ??」

「あっ、ああ。」

今日はクリスマス。
実は一昨日土浦の母親のピアノ教室に来ていた香穂子は急用でこれなくなったスタッフのかわりに
クリスマスパーティーの手伝いを頼まれたので
昨日のイヴの準備と本番の今日教室に来てその手伝いをしていたのであった。

そして今その手伝いが終わり土浦に家まで送ってもらっている所だった。

「私土浦君が謝っているわけがイマイチわからないんだけど??
何かあったっけ??謝られること??もしかして今日の手伝いのこととか??」

「そうと言えばそうだし、違いと言えばなぁ・・・。」
そう土浦は何か歯切れの悪い返事をする。

「よくわかんないけど。私は全然平気だよ。
パーティー楽しかったし。
それに・・・・土浦君が一緒だったから。」
そう言って寒いせいなのか照れているせいなのか
微かに赤くなった顔で『ヘヘヘ』と、土浦に笑いかけた。

「っ///。お前なぁ・・・。」
そう言われて悪い気はしないのだが恥ずかしく土浦は視線を香穂子から逸らした。

「あっ〜土浦君照れてるでしょ〜」
嬉しそうに視線を逸らされた土浦をニヤニヤしながら見つめる。

「うるさい!」
ズバリいい当てられた悔しさから香穂子の頭を勢い良くクシャクシャしだす。

「ちょっ!何するの〜土浦君髪がぐちゃぐちゃになっちゃうよ!」

「今日頑張ったご褒美だ。受け取れ!!」
そう言ってさらに激しく頭を撫で始めるとても楽しそうに。

「もう!!」

「ハハハハ!すっげー頭」
暫くの間激しく頭をなぜられたおかげで香穂子の髪は無残にも鳥の巣の様に
なっていた。

「もう!」
頬を膨らませて怒る香穂子に

「すまん。やりすぎた。」
と、言って今度は優しく香穂子の髪をときはじめる。

土浦の大きな手でするその仕草がなんとも心地よくて香穂子はゆっくりと目を閉じる。


「昨日と今日本当ありがとうな。折角のクリスマスだったのに・・・な。」
香穂子の髪をときながらそっと囁いた。

「お礼なんて・・・。例えクリスマス二人じゃなくたって土浦君と一緒なら
私は幸せなんだよ。」
瞑っていた目を開くとそう言って軽く笑う。

「来年は二人で過ごそうぜクリスマス・・・。」
照れながらも土浦は優しくそう言う。

「うん。そうだね。」
自分の頭にある土浦の手をとって自分の頬に置く。


「香穂・・・・。」
熱く潤んだ瞳で香穂子を見つめると香穂子はゆっくりと瞳を閉じる。
そして二人の唇が軽く重なる。
ゆっくりと・・・・。



再び香穂子の家へと歩きだすと

「あっそうだ。手出せこれ渡とく。」
土浦は立ち止まるとそう言ってポケットから綺麗に
ラッピングされている小さな箱を取り出し香穂子の手のひらに乗せた。

「これって・・。」

「大したものじゃないから期待するなよ。高校生の俺に買えるものだからな。」
照れ隠しなのか渡すと前髪をかきあげながら落ち着かない様子だ。

「どんなものだって土浦君から物もなら嬉しいよ。」
手のひらにある箱を見て香穂子は幸せそうに笑う。

「そうか・・。」
目の前の香穂子の反応に満足したのか。同じように嬉しそうな表情を浮かべる。

「じゃあ、私からはこれ。」
鞄からクリスマス用のラッピングがされた小さな紙包みを取り出して
土浦に差し出した。

「おう。サンキュー。」

「うん。」
満足そうに土浦を見たあと

「一緒に開けようか!」

「今か?」

「うん」

「まぁ、いいけど・・。」
そう言って二人はお互いの包を開け出した。

香穂子のくれたプレゼントは綺麗なダークグリーンの暖かそうな手袋だった。

そして土浦の箱には音符の形をした
トルマリンが散りばめられているイヤリングが入っていた。

「綺麗〜!」
そう言って手にとって月明かりに照らしてみる。

「こうするとキラキラ光ってさらに綺麗・・。」
そして土浦はそうしていつまでも眺めている香穂子の手からイヤリングを取り手に持つと

「付けてやるよ。」
そう言うと香穂子の髪を耳にかけイヤリングをつけだす。

突然のことで恥ずかしいのと嬉しいのとで真っ赤になったまま固まってしまう香穂子。

土浦の手が香穂子の耳にそっと触れる。
右耳そして左耳。
そして土浦の手が耳から離れる。
離れていく手に少し寂しいと思ってしまう香穂子。

「いいんじゃねえの?」
つけ終えた土浦は満足そうに香穂子を見る。

「本当??」
両耳で優しく揺れるイヤリング。

「ありがとう。大切にするね!」
そう言って耳についたイヤリングを自分の指で弾いてる。


そんな香穂子を見ながら自分は横で貰った手袋を嵌める。

「あったかいなこれ。ありがとうな!」
香穂子がプレゼントした手袋を嵌めた自分の手を眺めながらそう言う。

そして土浦の嵌めている手袋を見ながら

「そうそう!実はこの手袋お揃いなんだ!!」
と、嬉しそうに自分のコートのポケットから同じデザインの色違いの手袋を出す。

「なっ!お前・・・。お揃いって・・・恥ずかしいだろう。」
香穂子の取り出した手袋を見てそう言う。

「え〜!!なんでいいじゃない。
手袋なんてどれも似てるから気がつく人なんて早々いないよ。」
そんな土浦をよそに香穂子はあっけらかんとそんなことを言う。

「ダメだ。没取!」
そう言うと土浦は香穂子の手から手袋を取り上げた。

「あ〜!!返してよ!!それ気に入ってるのに!!」
取り上げられた手袋を取り返そうと土浦に手にある自分の為に買った
手袋を取り返そうとしている。

「お前のはこっちだろ!」
そう言って土浦の手袋の片一方を渡される。

「えっ?」
手渡された手袋を持って土浦を見る。

「こうすればひと組みで済むだろ。」
手袋のない片方の手は土浦にしっかりと握られてポケットに入れられる。
そして香穂子に渡さなかったもう片方は握られてない方の手にしっかりと
填められていた。

「土浦君・・。こっちの方が恥ずかしい気がするんだけど」

「いいんだよ。」

「・・・・。何だか冬っていいね。」
赤くなった顔で香穂子がそうポツリと言った。

「??」
今度は土浦が意味が分からないという顔をして香穂子を見る。

「だってこうやって土浦君の温もりが感じられるから。」
そう言って照れてはいるが嬉しそうに土浦を見る。

「お前なぁ〜。」
そう口では言っているがつながれている手に力が入る。
そんな土浦を見て相変わらず笑っている香穂子に負けて

「そうだな・・。寒いのは嫌だがお前の温もりを感じられる冬は悪くないな。」
恥ずかしさから視線をずらしてぶっきらぼうにそう言う。

「だね。見て〜!!満天の星だよ。」
見上げた空には寒させいなのかいつもより星が多く一段と綺麗にそして明るく輝いていた。

「綺麗だな。」
土浦もそう言われて空を仰ぐ。

「来年もこうやって眺めたいね。」
空を仰ぎながら香穂子はそう言う。

「そうだな。来年も一緒に見ような。」
土浦は隣の香穂子を見つめる。

「うん。Merry Christmas土浦君。」

「ああ、Merry Christmas香穂。」

そして見つめ合い優しく笑い合うとと二人は再び歩き出す
寒い聖夜にお互いの温もりを感じながらしっかりと手を繋いだままで・・・。


                      

                     


                           おしまい





あとがき

Merry Christmas香穂子&梁太郎

クリスマス3DAYS二日目の土×日どうでしたでしょうか??
これは何度も何度も書き直し内容を変更しました。
結局こうなったんですが(;^ω^)
学生なのでそれほど高価なモノはプレゼント出来ないし。
どうしようかな〜とか色々迷ったり(~_~;)
小説だから何でもありなんですが(;^ω^)
土浦君何を貰ったら喜ぶがわからなくて・・・。
本気で悩んだ私はお馬鹿??(笑)
明日は加地君です。
最終日です。よろしければ読みに来てくださると嬉しいです!!
ではでは、良いクリスマスイブをお過ごしください!

    だっち2011・12・24

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