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主にネオロマ、乙女ゲームの二次、夢小説を連載しております。
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では月日クリスマスSSです。
月日なんですがあまり月森君は出てきません。
それでもよろしければどうぞ!!


会いたい夜


今日はクリスマス街は恋人同士で溢れかえり、どの人々も何故か幸せそうに見える。

キラキラした街にキラキラした恋人たち。
自分は一人ではない。が、こういう特別な夜は何故か一人ぼっちのような気がする。

「月森君何してるかな〜」
ぼんやりとそんなことを考えてしまう。
付き合っていても遠く離れている彼と一緒にいたいと願ったところで叶うはずもないし、
そんな我が儘を言うこともできない。
この時期一人で過ごすのは初めてでは無いのだが、分かっていても無性に寂しく感じる。

「去年は何してたっけ私。」
前の年のことを思い出そうとしても思い出せないのだが彼と一緒に過ごしていなかった
ことだけは確かだ。

「早いところ家に帰ろう。」
そう呟くと家路へといそいだ。
すれ違う恋人たちをなるべく見ないように。俯きながら。

彼らに罪はない勿論月森にも自分にも。
だけど。

寂しい・・・。

そう思うことは止められなかった。

でも、来年は年明けには帰ってきてくれる。という事実が今の自分の
気持ちを少しだけ浮上させてくれる。

あと少し、そうあと少し待てば会えるのだ。

手にもっているヴァイオリンケースに力が入る。
そう自分に言い聞かせて香穂子は早足でその場から離れた。

冬だけあって日の暮れるのも早い。
空には寒いせいなのかいつもよりも一層星が瞬いている。

「綺麗だな〜。」
夜空の星と月を眺めながら香穂子は歩いている。

この星もこの空この月さえも月森君と繋がっているんだよね。

月森君も少しは寂しいって思ってくれてるかな。
絶対に聞けないけど。

そう思いながら苦笑いを浮かべる。

いつか、いつの日か一緒に過ごせる日が来るのかな。
来るといいなぁ。

「会いたいよ。月森君」
歩を止めて悲しい笑を浮かべてポツリとそう呟く。

そういったところで会えるわけではないのだが言わずにはいられなかった。

もうどれくらい会っていないのだろう。

もう少しそのもう少しが今はとても遠く感じる。

いつから自分はこんなに欲深くなってしまったんだろう。
もうすぐ会えると分かっているのに、今会いたいと強く願ってしまう。

「ダメだな。私、こんなんじゃ月森君にあきられちゃうね。」
今にも泣き出しそうな顔して再び歩き出す。

泣いたらダメ。泣いちゃダメなんだから。

そう思えばそう思うほど瞳には涙が溢れてくる。
そして溢れ出した涙が香穂子の頬を伝って下に落ちる。


『ポタ』一滴『ポタ』また一滴と。

「おかしいな。泣くつもりなんて無かったんだけどな。」
そう自嘲気味に悲しそうに笑う。

そして残りの涙を拭う。

弱いな。
私。
ごめんね月森君。

携帯を出してディスプレイに映し出されている月森に謝る。

その時携帯にメールが届いた。

驚いた表情のまま香穂子はメールを読み始めた。





香穂子へ
大丈夫だろうか?
すまない急にこんなこと。

でも何故か今君が泣いている気がしたんだ。
俺の気のせいだといいのだが。

声が聞きたい、いいだろうか?

           月森





どうして・・・。


どうして分かってしまうんだろう。
こんなに離れて随分と会ってもいないのに。
月森君はどうして。

止まっていた涙が再び溢れ出す。

そして今度は携帯が月森からの着信を知らせる。

涙を拭って香穂子は通話ボタンを押した。

「も、もしもし」
なるべく泣いていたのを気がつかれないように明るい声で。

「香穂子。すまない急に・・・。」
そう言うと月森は黙ってしまう。

「ううん。」
そう答えただけで香穂子も黙ってしまった。

「やはりそうか・・・。
泣いていたんだな。」
そう辛そうな声で月森に言われる。

「泣いてなんて・・・。」
そう言って言葉が詰まる。

「すまない・・・。」
ポツリと月森が呟いた。

「えっ?どうして月森君が謝るの?」
月森の言葉に慌てる香穂子。

「先程まで君との思い出の曲を弾いていたんだ。
そしたら・・・。
急に弦が切れてなんだか君が悲しんでいる顔が浮かんできたんだ。
泣いていたのか?」
今度は確かめるように優しく尋ねられる。

「うん。ごめんね・・・。」
これ以上嘘を付きたくなくて香穂子は月森に素直に答えた。

「よかったら、なぜ君が泣いていたのか聞かせて貰えないだろうか?」
さらに優しく月森は香穂子に尋ねる。

月森の問いに戸惑いながらも香穂子は話し始めた。

「寂しかったの。会いたかったの。もう少しで会えるって分かってる。
でも、街は幸せそうな恋人同士が多くてその中を歩いていたら・・・。
ごめんね呆れちゃうよねくだらないって思うよね。このくらいのことで泣いちゃうなんて。」
遠慮がちに香穂子は月森に正直な気持ちを告げる。

「香穂子。
呆れなどしない、それに君が涙を流すほど辛いことだったんだろう?
ならくだらないということはないはずだ。
滅多に弱音をはかない君が言うことがそんなことがあるはずないだろう?
それに君を悲しませているのは俺自身なのだから。
すまない香穂子・・・。
こんな時に気の利いた言葉の一つも出てこない俺は情けないな。」
申し訳なさそうに話す月森に香穂子は

「違う・・。月森君。月森君が悪いわけじゃない!
情けなくなんかない!
私が、弱い私が悪いの。
だから責任なんて感じないで。
もう少しで会えるのに欲張っちゃった私が悪いの。」

「香穂子・・。君だけじゃない。
会いたいと思っているのは君だけじゃないから。
会いたいと思うのは悪いことじゃないと思う。そう言ってもらったところで
今の俺には何もできないのだが、もし俺にそういうことで君が一人で泣かないで済むのなら
言って欲しい。」

「月森君・・・。
ありがとう。凄く嬉しい。」
不器用な彼が自分の事を思い彼なりに出来ることをしてくれようとしている。
その事実が香穂子をどれだけ喜ばせただろう。

「今の俺にはこれくらいのことしかできないから。」

「十分だよ。」

「そうか。」
一瞬月森の笑った顔が見えた気がした。

「うん。」
そして香穂子もそう言って笑う。

「こちらももう日付が変わるな。」


「あっそっか。じゃあ月森君MerryChristmas!!」
そう明るく笑いながら月森に言う。

「ああ、MerryChristmas香穂子」
同じように優しく微笑んで香穂子に言った。

「いつかきっと二人で過ごせる日が来るよね。」

「ああ。俺はそう信じている。」
月森のその迷いのないその言葉に心がふわりと暖かくなる。

どうして私は寂しいなんて思ったんだろう。
こんなにも思ってくれている彼がいるのに。
私も信じてる。
その日が必ず来るのを・・・・。

電話を切ったあと
その時香穂子の見上げている空から沢山の白い雪がふわりふわり舞い落ちてくる。

「あっ雪・・・。」
その舞い落ちる雪を見ながら

「もう一度言わせてね。
Merry Christmas月森君あなたの願いが叶いますように。」



                    
                おしまい




あとがき

少しシリアスな感じで書いちゃいました(#^.^#)
最後はホンワカな感じで(*´∀`*)
月森君は少しだけのご出演でした(~_~;)

なぜかというと年明けに月日SSを書く予定をしているのでそちらで
甘さは補充かなと思いまして♪~(´ε` )
クリスマスプレゼントもそちらで渡す予定です(^^♪
明日は土浦君ですヨ!!
明日も是非ともお持ちしています。

下におまけがありますがギャグっぽくなっていますので
このまましっとりという方はまた次回にでも読みに来ていただければと!

OKという方はどうぞ!!











おまけ

*電話でのひとコマ*


「どこでもドアでもあればいいのにね。」

「どこでも・・・ドア??とは一体なんだ?」

「えっ?ドラ○もんのだよ。あったら今スグにでも会いに行けるのに。」

「今すぐ?そんなものがあるのか?というよりそのドラ○もんとは一体なんなんだ?」

「えっ?もしかして月森君ドラ○もん知らないの??」

「だからさっきから君が言っているそのどら、どら。」

「ドラ○もんだよ。」

「それは、一体・・・。」

「青い猫型ロボットだよ。」

「青い猫型ロボット・・・・・。」

「うん。国民的アニメの登場人物!」

「国民的アニメ・・・。」

「そっか知らないのか!」

「ああ。すまない・・・。」

「謝らないでよ。でも可愛いんだよ。」

「可愛いのか??猫型ロボットが??」

「うん。凄く。」

「そ、そうか・・・。」

どんな想像をしているのかそう言ったまま月森は暫く黙ってしまったらしい。

そしてこの疑問を解決すべく月森が帰国した際に二人でドラ○もんを見に行って
とても驚いて暫く固まっていたようだ。

               

                      おしまい

お付き合いありがとうございました。





             

Len

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