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主にネオロマ、乙女ゲームの二次、夢小説を連載しております。
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加日SSの設定ですがこちらも高校3年生設定です。


聖なる夜に・・・。


「ねぇ。加地君欲しいもの?何かある??」
クリスマスの近づいてきたある日香穂子は下校途中に加地にそんなことを聞いている。

プレゼント=秘密の方がいいのだが加地の欲しいモノが検討もつかない香穂子は
思い切って聞いてみることにしたのだった。

「えっ?欲しいもの??」
突然に質問に驚いたのか加地は目を大きくして香穂子を見ながら言った。

「うん。ほらクリスマス近いし・・。
好きなものが分かればいいんだけど考えても私があげそうなものは加地君もう持ってそうだし・・・
何か欲しいものがあればその方がいいかな〜と、思って。」
少しだけ困った表情を浮かべて加地を見つめる香穂子。

「香穂さん。僕は君にいつもたくさんのモノを貰っているんだよ。
これ以上欲を出したら罰が当たっちゃうよ。」
そう言って優しく笑う。

「えっ?私加地君にいつも何もあげてなんかないよ??」
思い当たる節がない香穂子はよく分からないという表情を浮かべて加地を見ている。

「ふふふ。違うよ。僕が君からもらっているのはモノなんかじゃないよ。
そうだな例えば今のこんなに時間かな。君と一緒に帰るこの時間や君と過ごす時間。
どんな高価なものよりも僕にとっては価値のあるものなんだ。
君と重ねる時間が僕とって今一番大事でかけがえのないものなんだから。」
そう言って優しい眼差しで香穂子を見つめる。

「加地君・・・。
そんなこと言ったら私だって加地君には本当沢山のモノを貰っているんだよ。
こうして私が今頑張れたりヴァイオリを続けられるのだって加地君が傍に居て
私を支えて助けてくれるからなんだよ?
加地君の存在が今の私にどれだけ大切か。」
加地の言葉に釣られてそう言ったが言い終わったあと恥ずかしいくなったのか
頬を少し桜色に染めている。

「香穂さん・・・。本当に君はどうしてこんなに簡単に僕を幸せに出来るんだろう。
不思議だね。君といると本当僕は自分が幸せだと思い知らされるんだ。」
そう言うと加地の指先が香穂子の髪にそっと触れ愛おしそうに見つめられた。

「か、加地君///。」
益々恥ずかしくなって香穂子はドンドン真っ赤になっていく。

「香穂さん。僕は君が本当に好きだよ。」
サラっとそんな言葉を口にする。

「もうクリスマスのプレゼントを貰ってしまったようだよ。少し早いけどね」
そう言って香穂子の髪から手を離す。

「加地君・・・。でもね、でも私。
私が加地君に何かあげたいの。加地君の喜ぶ顔が見たいの。
その、好きな人の喜ぶ顔が見たいって言うのは誰でも同じだと思うの。
だから・・・。」
赤い顔をしながら必死に加地に訴える香穂子。

「香穂さん・・・。分かったじゃあ、クリスマスの日君の時間を僕にくれる??」

「えっ??」

「うん。受験で大変な時期だってわかってるけど良かったら君と過ごしたいんだ。」
勿論初めからそのつもりだった香穂子は加地の言った言葉に驚いて言葉が出ない。

では、今までクリスマスは一緒に過ごすつもりはなかったということなのか。
そう考えると何故か寂しく感じてしまう。
それはお互い受験を控えていて遊んでいる時間なんてないのかもしれない。
特に香穂子は加地と違って遊んでいる余裕なんこれぅポッチも無いのだが・・・。

そんな事を考えているのが顔に出ていたのかそれに気が付いた加地が

「香穂さん。誤解しないでよ。クリスマスは初めから会うつもりだったよ。
僕が言っているのは僕が君とやりたいことがあるからそのための時間を欲しいそう言う意味だから。
誤解させるようない言い方させてしまったみたいでごめんね。」
慌てて香穂子に説明する。

「えっ?私・・・。顔に出てた??」
困惑の表情を浮かべて加地を見る。

「君はわかりやすいから。」
そう言って困ったように笑う。

そう、わかりやすすぎて困るくらいね。




そうしてクリスマスの当日
香穂子はヴァイオリン教室のあと加地と会うことになっていた。

「わぁ!!大変もうこんな時間!!」
ヴァイオリン教室をでた香穂子は急いで加地と待ち合わせの場所に向かう。

もう少し早く終わるはずだったのだが思った以上に熱入った先生の教えに
香穂子もツイツイ時間を忘れて悪いことではないのだが夢中になってしまったいたのだった。

待ち合わせに時間を軽く20分は超えている加地に急いでメールを入れここからそんなに遠くは無い
待ち合わせの場所へ急ぐ。

待ち合わせの場所はあの海浜公園。
この寒い日にどうしてそこなのかは分からないが、加地がそこを指定してきたのだ。

公園が見えきて一度立ち止まり呼吸を整える。
その時どこからかヴィオラの音が聞こえてくる。


「えっ?!この音って・・・。」
音の方へゆっくり近づいていく。

そして香穂子が目にしたのもは公園のイルミネーションに照らせれた
加地が愛おしそうにヴィオラを弾いている姿だった。

加地が弾いている曲は去年のコンサートで一緒に弾いた曲。
『ヴィヴァルディの冬』
香穂子はゆっくりと目を閉じる。

思い出される去年のクリスマスコンサートそしてその後の加地からの告白。
幸せだ。
そう思ってやまない。
加地の暖かなヴィオラの音は自分に心に自然に入っくる。
暫くぶりに聞く加地の音を聞き香穂子は改めて彼の音が好きだと実感する。
自分を包んでくれるような彼の優しい音。
彼が音楽に対して未だにコンプレックスを抱えているのも知っている。
だから、香穂子は加地に無理に一緒に弾くことを頼んだりしない。
でも、今の加地は自分自ら弾いているのだ。
どうしてなんて理由はどうでも良かった。
ただ彼がヴィオラを弾いているその事実が本当に嬉しかった。

加地が曲を弾き終えてヴィオラを肩から降ろすと香穂子は
『メリークリスマス』と、加地に声をかけた。

「香穂さん!!もしかして・・・。聞いていたの??」
照れているとも困惑しているとも捉えられる表情を浮かべている加地。

「ごめんね。加地君の音につい聞き惚れちゃって・・・。」
そう言って加地を見て嬉しそうに笑う。

「香穂さん・・・。」
そう言って今度は本当に困惑な表情を浮かべる。

「加地君・・。本当に素敵だったよ。加地君のような暖かくて優しい音だった。」
香穂子は真っ直ぐ加地を見つめてそう言う。

「覚えている?去年、去年の今頃君はコンサートを成功させて学園の危機を救ったこと。
あれ本当に凄かったよね。」
綺麗な夜空を見上げて加地は懐かしそうに目を細める。

「うん。覚えてるというか、忘れられない。私が危機を救ったのかどうかはわからないけど
みんながみんなの音が学園を救ったって思ってる。勿論加地君の音だって学園を救ってくれたんだよ。」
夜空を見つめている加地を見ながら言う。

「僕は・・・。」
少し苦しそうに顔を歪ます。
そんな彼に近づき少し震えているヴィオラを持っている加地の手を両手で包み込む。
その行動に驚いて香穂子の方を見る。

「加地君。みんなで協力して努力して作り上げたじゃない。
それに私は加地君も加地君の音も好きなんだから。
そんなに自分を否定しないで、素敵なんだから認めてあげようよ。加地君の音楽。
それとも私が言っていること信じられない??」

「香穂さん・・・。」
香穂子を驚いたような顔で見ている加地。

「信じて欲しい。私が加地君を好きだから加地君の音が好きなんじゃないの。
このヴィオラから紡ぎ出される音も加地君だからこの音が加地君自身だから私は好きなんだよ。」
そう真摯な眼差しで加地を見つめる。

「ありがとう。」
聞き逃しそうな位小さな声だったが加地は香穂子にそう告げた。

「君を抱きしめてもいい?」
そう今度ははっきりと聞こえる声で言いながら香穂子をに笑いかける。

「そんなこと聞かなくたって・・・。」
そう言った後香穂子は加地の背中に手をまわし抱きついた。

「か、香穂さん!!」
驚いて固まってしまっている加地。

「いいって聞いてきたのは加地君じゃない。それに私はいつでもこうされたい
って思ってるんだから・・・。」
最後の方は本当に小さな声になったしまったが加地の耳にはしっかりと届いていた。

「香穂さん・・・。本当に君って人は・・・。」
そう言った加地の顔は、、
香穂子からは見えなかったが穂子と同じくらい真っ赤になっていた。
そしてそっと自分も香穂子の背中に手を回す。

「幸せだよ。香穂さん。これ以上ないって位ね。
でも、一つだけワガママ聞いてもらっていいかな。」
抱きしめたまま加地は香穂子のそう尋ねる。

「えっ?何?私にできること??」
加地の胸の中から少しだけ顔を上げて加地を見る。

「うん。君にしか出来ない事・・・。その良かったら僕と合奏してくれないかな。」
加地の言葉に驚いて言葉が出ない香穂子。
その言葉は香穂子が加地の口から一番聞きたかった言葉だった。


「ダメかな??」
不安そうな表情を浮かべて加地は香穂子を見つめている。


「ダメなんて思うわけないよ!!合奏したい!加地君と一緒に弾きたい。」
お互いに身体離した後香穂子は嬉しそうな顔でそう言うと

「そっか、ありがとう。」
加地も同じように嬉しそうに笑う。

「ううん。お礼を言うのは私の方だよ!!本当に嬉しいんだから。
ありがとう加地君どんなものよりも素敵なクリスマスプレゼントだよ。」
そう言うと香穂子はヴァイオリンケースをベンチに置こうとする

「えっ?違うよ。香穂さんこれは僕にとってもクリスマスプレゼントなんだ。」
そんな香穂子を見て加地はそう言う。

「えっ・・・。」
驚いて手を止めて加地を見る。

「この間僕に欲しいものを聞いたよね?
僕はね君とこうして一緒に演奏できる時間が欲しかったんだ。」
少しだけ恥ずかしそうにそういう加地。

「加地君・・・。」

「あと、これを君に言うのが遅くなったけどメリークリスマス香穂さん」
持っていたヴィオラを一度ケースも戻すとケースの中から小さな箱を差し出す。

「これは・・??」
差し出された箱を見ながら加地に訪ねた。


「クリスマスプレゼント。香穂さん受け取ってくれる?」
そう言いながら香穂子の手を出させてその手の上にのせた。

「えっ?いいの?」
箱から加地に視線を戻し遠慮がちに尋ねた。

「勿論君のために買ってきたんだ。
君以外受け取ってくれる人なんていないよ。」
香穂子の言葉に少し驚き不安な表情を浮かべて香穂子を見た。

「ありがとう。じゃあ、これ加地君に。」
嬉しそうに受け取った後香穂子は鞄から加地がくれた箱よりも一回り小さな箱を加地に差し出した。

「これは??」
今度は香穂子に差し出された箱を見て香穂子と同じようなことを今度は加地が香穂子に尋ねる。

「えっと。一応ああ言われたんだけどやっぱり何かあげたくて・・・その
気に入ってもらえるかわからないけどクリスマスプレゼントなんだけど。」
先程の加地同様香穂子も不安そうな表情を浮かべる。そんな香穂子を見て加地は素直に
受け取った後

「ありがとう香穂さん。開けてもいいかな??」
そう言って嬉しそうに香穂子を見た。

「えっ?!」
まさか直ぐに開けられると思ってはいなかったのか驚いた表情を浮かべる香穂子。

「ダメかな?」
そんな香穂子を見ながら加地は織ねだりするかの様に甘い声で尋ねる。

「そ、そんなことないけど・・・なんか照れるね。」
そんな風に加地に言われてしまい断れない香穂子はそう言って照れ笑いを浮かべる。

「フフフ。じゃあ開けるね。」
と、加地は香穂子から受け取った箱を開けた。

箱の中にはリング型のシルバーのピアスが入っていた。


「その、加地君ピアスあけてるしそういう趣味私のと合うかわからなかったけど
シンプルな感じで加地君にも似合いそうで。そのよかったら付けてくれると嬉しいな。
あっ、でもその趣味が合わなかったらその無理しなくていいから。」
恥ずかしいせいか聞かれてもいないことを話し出す香穂子。

「そんな事あるわけないよ。君が選んでくれたものに僕が気に入らないわけない。
ありがとう大切に使わせてもらうよ。シンプルでいいね。じゃあ、僕の方も開けてみてくれる?」
嬉しそうな表情でピアスを見つめた後加地は香穂子の箱を見ながら言った。

「うん。」
そして香穂子は加地から貰った箱を開ける。

「うわ〜。綺麗。」
箱から出てきたのはクリスタルで出来ている天使の置物だった。

「フフフ。よく見てこれ天使が手にヴァイオリを持っているんだよ。
まるで君のようだよね。」
香穂子を見るのと同じように愛おしいものを見る様に天使を見つめる。

「えっ?」

「だって君は僕の天使だから。」
そう言って恥ずかしいこともサラリと言ってしまう加地に香穂子は
真っ赤になる。

「天使って加地君・・・。」

「香穂さん僕にとって君は天使なんだこのクリスタルの天使のように
ヴァイオリンを持ったね。」
そう言ってクリスタルの天使と香穂子を交互に見ながら優しく微笑む。

「加地君って恥ずかしすぎるよ。」
と、真っ赤になりながらも加地に少しだけ抗議してみるも

「どうして?僕は思ったことを言っているだけだよ。」
そんな答えが返っきてしまう。

このまま香穂子が何かを言ったことろで逆に恥ずかしい言葉がが返ってきそうなので
『余りそんな事他の人が居るところでに言わないでね。』とだけ言っておいた。

加地の言葉はほんとの意味での本音だから香穂子もタジタジなのだ。
嬉しいのだが本当心臓に悪い。

加地君これ以上私をドキドキさせてどうするつもりなんだろう。

そんなことを考えていると加地が

「香穂さん。僕と一曲一緒に演奏してもらえますか?」
優しい笑を浮かべて加地は香穂子にそう言う。

「はい。一曲と言わずに何曲でも喜んで。」
これ以上ないというくらいの笑顔を浮かべて加地に答える。

そしてケースからヴァイオリンを出して準備をする。
お互いを見つめ合いゆっくりと奏で出す。

お互い演奏中に何度も目を合せ微笑む。
二人の奏でる音楽は綺麗に交ざり合い優しく暖かく辺を包む込む。
音楽だけではなく心までつながっている事を感じさせるように。

なんという充実感なのだろう。
君と奏でる重ねる音楽。
君は本当に僕の天使なんだね。
これが至極の時間というものなのだろうか。
このままこの聖なる夜に溶けていってしまいそうだ。
でも、それもいいかもしれないね君とならこの聖なる夜に溶けていっても。

そして二人が奏でているところに真っ白な雪が降り注ぐ。
まるで天使の羽が舞い散るように。
もしかしたら音楽の神様が二人を祝福して降らせているのかもしれない。

ねぇリリ。

「Merry Christmas
          二人の音楽に祝福を・・・。」
 



演奏中そんな声が二人には聞こえた気がした。
それは聖なる夜に起きた奇跡かもしれない。




                 おしまい

             だっち2011・12・25




あとがき
以上にてクリスマス3DAYSss終りになります(*´∀`*)
いかがでしたでしょうか??
加地君編も楽しんでいただけましたでしょうか??
楽しんでいただけたら嬉しいです!
でも、来年はこんな無謀な事はやめます。
これ書くのに一ヵ月以上かかりました(^^ゞ
3人一気は大変です。
達成感はあるんですがこの3人の中でどのお話が一番良かったか
良かったら教えてくださいね。

ではでは乙女の皆様良いクリスマスをお過ごし下さいませ!!

だっちから

Prettige Kerstdagen!! 
(オランダ語でメリークリスマスです)

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自己紹介:
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