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主にネオロマ、乙女ゲームの二次、夢小説を連載しております。
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ヒノエルート17です。

貸しの代償 13


暫く弁慶と踊っていたあそびだったが


「もう限界です。勘弁してください!!」
と、一瞬のスキを見て弁慶から逃げ出した。


そして、弁慶と踊り疲れたあそびはバルコニーに出ていた。

結構踊っていたせいなのか、それとも馴れないことをしたせいなのか
おかしな疲労感が身体に襲ってきていた。

然も普段痛くならないようなところが痛む。

それの上高い靴で踊ったせいでふくらはぎはパンパン。

一息つこうとバルコニーにある椅子に腰を掛けた。

会場の熱気とダンスで汗ばんだ身体に夜風が通り抜けていく。

「気持ちいい〜。」
何となく空を見上げると、少ないながらも星が綺麗に瞬いている。

「ここで一杯ビールとかいけたら最高なんだけどな・・・。
綺麗な夜空とビール♥最高だろうな〜」
誰もいないことをいいことにだらしなく椅子に横になってしまう。

折角こんなに綺麗なドレス着て、
お化粧も髪だってセットしてもらったというのはよくわかっているけど。
なんだか本当の自分じゃないみたいで・・・。

確かにこうやって着飾って素敵な人にエスコートされて不満は無い。
無いんだけど・・・。

「私のいる世界じゃないんだよね〜。
堅苦しくて、みんな上品で、自分の事ワタクシとか言ってそうだし。
正直疲れる・・・。
ああ〜。
居酒屋に行ってナスの浅漬けにビールでキューっと行きたいなぁ〜。」

「俺もそれには賛成だ。」
急に聞こえてきた自分以外の声に驚いて横たえていた身体を起こした。


驚いて声の方を見るとそこには燃えるような真っ赤な髪のした40代位の豪快そうな男性が立っていた。

「おっと。急に話に入ってすまないなぁ。」
凄く爽やかな笑顔で言われる。

「えっ、いえ・・・。」
話って独り言だし然もこの場に不釣合な内容だし・・・。

「俺も、お嬢さんの意見に賛成だな。」
そう言ってあそびの前の椅子に腰を降ろした。

そしてだらしなく座ると目の前にテーブルに足を置く。

「こんな堅っ苦しくちゃあ、息が詰まるよな。」
そう言って屈託の無い笑を向けられる。

「はあ〜。」
目の前の人が何者なのかあそびには知りようがないが、見た目から悪い人ではないようだ。

そして、真っ赤な髪と瞳がとても印象的であそびは見とれてしまっていた。
それによく見ればとても中年の魅力というか大人の落ち着いた雰囲気を持っていた。

「やっぱ酒といったら日本酒だろ。
ワインも悪かねぇが。やっぱり、クーッとこうないけるのはいいよな。」
あそびの目の前の男性はそう言うと楽しそうに指でおチョコをを持つ仕草をしている。

「はい。そうですよね。ワインも嫌いじゃないですけどいいですよね。日本酒。」
楽しそうに話している男性に同じ臭いを感じそして大好きなお酒の話
ということもあり、食いつかない訳がない。

「おっ、お嬢さんは日本酒派か?」
深紅の瞳であそびを何か楽しいものでも見るように笑いながら尋ねてきた。

「そうですね、ワインよりは飲みますね。」
感じがいい上に気さくに話しかけてくれることが嬉しくてあそびも
話を続ける。

「おおお。行ける口か?」

「はい。お酒は大好きです。」

「そうか。じゃあ日本酒ならなにがいい?」



私はこの得体の知れないおじさんと
こんな感じで日本酒話で大いに盛り上がり小一時間ほど話に花を咲かせていた。

然も気が付けば馴れ馴れしくも『おじさん』と『あそび』と、呼び合う仲になっていた。

そしてそんな二人の会話に水を差すかのように、

「失礼します。」
一人の男性があそびの目の前に座っている男性の耳元でなにやら話し始める。

『ちっ』
不機嫌そうな顔で小さく舌打ちしたあと

「すまないな。あそびもう時間のようだ。」
椅子から立ち上がるとあそびに向けてそういって笑う。

「いいえ。楽しかったです。」
会場からバルコニーに差し込む光がそう言って立ち上がった目の前の男性の深紅の髪を
より引き立て、あそびは目が離せなくなっていた。

まるで燃えている炎みたい・・・。

「ああ、またな。おっ、景虎だったよな?」

男性の声に慌てて我に戻ったあそびは

「あっ、はい、そうです。飲んでみてくださいね。」
取り繕うように返事をした。

『おお』と言っておじさんは私の元から去っていった
先程耳元で何か言っていた男性と一緒に。

景虎は、私の大好きな日本酒の名前。
飲んだことがないみたいだから是非と進めていたのだった。

楽しかったな〜。
あ〜いつまでもここにいる訳にいかないよね。
そろそろ一度中に戻ろうかな。
と立ち上がり中に入ろうとしたが

やっぱり一度トイレに行って自分の身なりを確認してから中に戻ろう。

と、思うとあそびはトイレに向かった。





                 つづく  







あとがき

誰かわかって頂けました??
一応正体は後ほどということにしてありますが
乙女様たちはもうお分かりになっているのではないでしょうかね(笑)
今年はV.DSSは一応将臣君×あそびちゃんで行く予定ですが。
間に合わないかもです(-_-;)

うげげ〜。
頑張れ自分!!

               だっち2012・2・12

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