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主にネオロマ、乙女ゲームの二次、夢小説を連載しております。
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ヒノエルート21です。

残ったもの  1 

次の日あそびが職場へ行くと店の前に一台の高級車が止まっていた。
後部座席の窓ガラスはフィルムが貼ってあるのか
黒くなっているので誰が乗っているかは分からない。

「なんだろうあの車??」

あそびがその車を見ているとどこかに走り去ってしまった。
首を傾げながら車の去っていった方暫く見つめていた。


キッチンに入ると何時もの様に敦盛が先に来て作業をしていた。

「おはよう〜敦盛君。」
と、元気よく声をかけると

「ああ、おはよう。水森殿。」
そう優しく笑いかけられる。

「ねぇ〜。敦盛君店の前に黒い高級そうな車止まって無かった??」
隣に並び作業をはじめながら敦盛に話しかける。

「黒い車??」
そう言って手を止めて少し考えた後あそびの方を見る敦盛

「うん。」
こちらを向いた敦盛を見てそう頷いて答えた。

「私が来たときはそんな車は、いなかったが・・・。何か怪しい車でもいたのだろうか?」
心配そうに訪ねてくる敦盛。

そっか・・・。
なんだったんだろう。
気のせいかな。あそこにたまたま停っていただけかもしれないしね。
何かされたわけでもないし私が気にすることないか。

「ううん。何でもない。さてと今週も頑張りますか!!」
敦盛にそう笑いかけると同じように敦盛も笑い返してくれた。

営業時間が近づくつれてホールスタッフも続々と出勤してくる。
そしてその中に弁慶の姿を見つけたあそびは慌てて弁慶の傍に駆け寄った。

「武蔵坊さん。」
そう呼び止めると弁慶はあそびの方を振り返り

「おや?おはようございます水森さん」
と、ニッコリと微笑んだ。

「おはようございます。えっと昨日はありがとうございました。」
弁慶の腕を引っ張り店の端の方へ連れていくと
他の人に聞かれないような小さな声で頭を下げてお礼を言った。

「風邪などひいていないようですね。」
そう言っていつも通りのあそびを見て安心したような表情を浮かべてる弁慶。

「あれくらいで風邪なんてひかないですよ。身体だけは丈夫に出来てるんですよ。」
そう笑うあそびを見て弁慶は顔を曇らせる。

「水森さん。本来なら僕が送っていくべきだったんでしょうけど、すみません。
昨夜は席を外せないものだったので。」

「そんな。いいんですよ。私なんかよりもパーティーの方がずっと大事じゃないですか!
弁慶さんが気にすることじゃないですよ。それにほら時分でやったことですし。」
そう言ってあそびはまた無邪気に笑う。

「水森さん・・・君はまだそんなことを・・。」
弁慶は困惑の表情を浮かべたままあそび見ている。

「えっ??」
そう聞き返すあそびに『何でもないですよ』と笑う弁慶。

もしかしたら武蔵坊さんはあれが時分でやったという私の嘘を見抜いてるのかもしれない。
でも、その事実を武蔵坊さんに言ったところでどうなるものでもない。
というか、もしかしたら厄介なことになる可能性だったある。
これ以上面倒ごとはゴメンだ。
もう出来ればあんなところに行きたくない。
まあ、もう行くことはないとは思うんだけれど。
煌びやかで眩しくて自分にはまるで似合わない。
一般庶民には刺激が強すぎる。

「それに、送ってもらうなら連れてきた人が送るべきですよね。」
冗談ぽく言い更に

「まあ、終わったことですし。何もなかったんですから。ねっ」
と、弁慶に気にしていないと伝えるべく笑ってみせると。

「君がそういうのなら・・・。いいんですが・・・。
でも、もし何かおかしな事があったら直ぐに相談してくださいね。」
そう優しく微笑んだ。

「それよりあれから昨夜何もなかったですか?」
心配するように最後にあそびに聞いてくる。

「昨夜ですか・・・。あっ。」
そう小さく叫んだあそびの言葉に弁慶の表情が固くなる。

「何かあったんですか?」

「あっいえ大したことじゃないのですけどその、あれからヒノエ君が来ました。」

「えっ?ヒノエ・・がですか?」
出てくると思っていなかった名前が出てきてさすがの弁慶も驚いたのか
いつもより目を大きくしていた。

「は・・い。」

「君の家までですか?」

「家というかマンションの下までですけど。」

「そうですか・・。あ〜。なるほど分かりました。
あれはそういうことだったんですね・・・。」
弁慶の声の緊張が溶けると同時に
そう呟いていつも何か考えているときの黒笑を浮かべる弁慶がいた。

そんな弁慶が怖くなったあそびは

「じゃあ、武蔵坊さん。わ、私、し仕事戻りますね。」
と、逃げるかのように弁慶の元を去った。
二人の会話を陰から聞いている人物に気がつかずに。

そしてあそびが去ったあと

「おやおや盗み聞きとは随分趣味が悪いですね。」
そう、物陰にいる人物に声をかける。

「盗み聞きとは聞き捨てならないね。たまたま通りかかったら
あんた達が話してただけだぜ。」
そういって物陰から姿を現したのは不機嫌な表情を浮かべているヒノエであった。

「ふ〜。そういうのを世間一般に盗み聞きというのではないのでしょうか?」


「へ〜。一つ賢くなったよ。あんたのおかげでね。
それよりも、さっきのアレ俺に何か隠していることあるんじゃないのかい。」
そう言うと弁慶を見る眼付きが一瞬で鋭くなる。

「おやおや。そんな怖い顔で僕を見ないでください。
怖くて何も言えなくなります。」

「はっ。あんたが?よく言うぜ。」

「君はどうも僕を誤解しているようですね。僕は怖がりなんですよ。」
胡散臭い憂いな表情を浮かべる弁慶。

「言うつもりはない。そいういことか。」
そんな弁慶を見てヒノエは眉間のシワを深くする。

「なんのことでしょうか?僕は何も言っていませんし、
君の言っている意味もよくわからないのですけれど。」

「・・・・。あんたに聞いた俺が馬鹿だったよ。」
不機嫌そうにそう言い放ち弁慶に背を向け去っていくヒノエ。


そして弁慶は去っていくヒノエの背中を見送りながら
「どうでますかね。」
心成しか嬉しそな表情を浮かべてそうポツリと呟いていた。

             



                      つづく







あとがき
UPまでに時間が掛かっていたのはこの先の展開が
日々コロコロと変わるせいでなかなか固まらずに
のびのびになってしまっていました(~_~;)
スミマセン。ゲームのやりすぎのせいではないのですよ(笑)
朱雀コンビの掛け合いを入れてみました。
意外と似た者同士で好きなんですけどね(#^.^#)
うまくいったかな(^^ゞ
気がつくとホワイトデー来週ですね・・・。
ま、間に合うのか・・・。
とにかく頑張ります。
ヒノエルートも3月と言いたいところですが
4月までには終わらせたいです(~_~;)


                だっち2012・3・7

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