可愛い後輩　４

「敦盛君が向かいのマンション・・・。なんだ、そんなことか。
てっきり、何か出るって・・・え〜！！！」
話の途中で自分の言葉に驚いて大声で叫んでしまう。

「敦盛君が向かいのマンション！？」
未だに掴んでいた敦盛の腕を揺すりながらもう一度同じことを言った。

「ああ、そうなんだ。」
あそびに揺すられながら申し訳なさそうに答える敦盛に

「違うよ。嫌とかないからね！！それどころか嬉しいよ。」
急いで誤解している敦盛の腕から手を離し自分の顔に前でブンブン手を振っている。

「そ、そうなのか。てっきり嫌なのかと思ってしまったから良かった。」
と、安心した表情を浮かべた敦盛にホッとする。

「嫌なわけないよ。だって、」

「だって？」
と、あそびを見る敦盛の視線が痛いくらい刺さる。

「だって、敦盛君は可愛い私の後輩じゃない！！」
と、笑って敦盛を見ればはにかんだように笑い返された。

でも、一瞬だけどほんの一瞬敦盛君の顔が寂しそうになった気がした。

そのあとも特に変わった様子がなかったのでその時の私は特に気にも止めなかった。

そして、マンションの前で私達は別れた。

自分の部屋の扉の前でふと後ろを振り向くと、
向かいのマンションの一つ上の階に敦盛の姿が見えた。

「敦盛君お休み〜！！」
と、叫ぶとあそびの声に気がつき振り返ると敦盛は恥ずかしそうに頭を軽く下げた。

そんな敦盛に手を大きく降ってあそびは自分の部屋に入った。

次の日、昨夜は割と早め寝たはずだったのだが
ベットから起き上がろうとして何だか身体が重く起き上がれない
そしてなぜだか無性に眠たい。

おかしいな。と、もう一度頑張って起き上がろうとしてみる。

次は何とか起き上がれた、が身体にに上手く力が入らない。

それに何だか身体の節々が痛い。

昨日何かしたかな。と、ギシギシと今のも音が出そうな身体に鞭を打ちながら立ち上がる。

走ったりはしてないんだけど・・・。
なんだろう。
そう言えば、頭もフラフラするかも。

もしかして・・・。
風邪ひいた？？
こんな季節に。
夏風邪って○○がひくっていうよね。

あながち間違ってないかもって。
そうじゃなくて。
薬、薬だ。

重たい身体で薬箱を取り薬を出そうと箱を開けた。

箱を開けてあそびは愕然とした。
何故か、薬箱に入っていたのは乙女ゲームと正露丸だけ。

然もだいぶ前からナイナイと探していたお気に入りの乙女ゲーム。
こんなタイミングで出てくるなんて・・・。
何といっていいのか分からない。

それにこの症状に正露丸じゃ役に立たない。

がっかりして仕事に行く途中で買うことにし取り敢えず仕事に準備を始めた。

身体が思うように動かないためいつもよりだいぶ時間がかかってしまう。

焦る気持ちはあるものの身体が言うことを聞かない。

何とか用意を終えて部屋から出ようと
鍵を開けてドアノブに手をかけようとして、
突然視界が歪みそのままあそびは気を失って倒れてしまった。

その頃龍神では

「おい、敦盛。水森はまだ来てないのか？」
遅めに出勤してきた将臣がキッチンをぐるりと見回し傍に居た敦盛に聞く。

「まだ来ていないようなのです。」
と、心配そうに時計を見ながら将臣に答えた。

「また、寝坊か？敦盛昨日遅くまで飲んでたのかあいつと？」
首の後ろを手でさすりながら再び敦盛に尋ねた。

「そんなに遅くはなっていなかったはずですが。」

「おい、一度電話してやっておいてくれるか？」
というと将臣はホールの方へ去っていった。

そして敦盛はその後何度もあそびに電話するもつながることは無かった。

　　　　　　　　　　　つづく



あとがき

すみませんね・・・。
更新気がついたら結構空いてしまっていましたね・・。
遥か５～風花記～をプレイしていたものですから・・。
苦しい言い訳ですが。

じみ～に更新していきます。

週１が目標！
年内に終わる予定だったヒノエルートも怪しくなってきた・・・。

と、取り敢えず頑張ります！


　　　　　　　　　　　　だっち

2012・１０・１

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