<span style="font-size: x-large">お酒はほどほどに。</span>
私の歓迎会ということで私達はとある居酒屋に来ていた。
割りと小綺麗な居酒屋でどうやら龍神メンバーの行きつけの店らしい。
常連のためか、個室を用意してくれていた。
まあ、私としてはお酒が飲めればどこでもいいんだけどね♪
個室に入ると既にホールのスタッフが中に座って待っていた。
私達も中に入ると、私は有川さんと敦盛君に挟まれて座る。
全員が座ると、店長の梶原さんが
『お疲れ様〜。これからよろしく!あそびちゃん。では乾杯』
と声を上げた。
『かんぱ〜い』
全員が声を揃えて言った。
もちろん私も!!
「ぷは〜!!」
ビールを一気に半分ほど飲み干しグラスをテーブルに置く。
やっぱり、仕事の後のビールはうまい!
このために生きてる気がする!(かなり大げさ…。)
再びグラスに口を付けて『ゴクゴク』と残りのビールを飲み干す。
やっぱり、仕事あとの一杯目はビールだよね!
なんて思いながら、何となく隣の敦盛君のグラスに目をやる。
うん??うううん!!
私は敦盛君のグラスに釘付けになった。
君のグラスのその赤オレンジ色の飲み物はなんでしょうか?
「敦盛君、何飲んでるの!?」
急に私に話しかけたのでビックッとしながら。
「こ、これはカシスオレンジだが。水森殿もこれがよかったのか?」
それも美味しいよね!
ってちが〜う!!そうじゃなくてさ。
男子たるもの最初の一杯がカシスオレンジって…。
(かなりの偏見ですが…。)
「敦盛君、なんでカシスオレンジ何か飲んでるの?!」
「い、いけなかっただろうか。」
敦盛君は私の勢いに少々押され気味に答えた。
「ダメってわけじゃないけど。ビールは嫌いなの?」
「嫌いでは無いのだが、私はあまり酒に強くないので…。その、」
と敦盛君が困ったような顔して黙ってしまった。
「おやおや、水森さん敦盛君をあまり苛めないでくださいよ。」
二人の間に入ってきたのは、あそびの目の前に座っていた弁慶だった。
いつかは、何か言われると思ってたけどこのタイミングか〜。
なんて思いながら。
「武蔵坊さん…。私は別に苛めてるわけでは…。」
また変なところで名前切ってやろうと思ったけど、
なんだかこの人の報復怖そうだし。
止めておいた方が賢いよね。
「カシスオレンジも美味しいですよ。飲んでみてはいかがですか?」
そう言うとニコリと笑ってくれた。もちろん、思いっきり貼り付けた
笑顔で。
「今度是非いただきます…。」
はじめは静かに始まった歓迎会だったけど
時間が経つにつれてだんだん賑やかになってきた。
もちろんアルコールのせいもあるけど。
私も次第にいい感じになってきた。隣にいる有川さんや敦盛君なんかに
絡みながら、前にいる武蔵坊さんともお酒のおかげか普通に話せるように
なってたし(アルコールって凄いよね!!)
そして、賑やかを通り越して歓迎会は大盛り上がりになっていた。
ふと、キョロキョロ周りを見ていたらこちらを見ている
春日さんと、目があうとニッコリと笑いかけてきた。
なんて可愛いんだろう。
なんて思っていたら、立ち上がってコチラにやって来て。
「隣座ってもいいですか?」なんて可愛い笑顔で言われてしまった。
もちろん、君のような可愛い子に言われて断る人はいません。
「どうぞ」と、笑顔で言えば。
『ありがとうございます』とまたもやとびきり可愛い顔で答える。
女の私でさえ照れるよ・・・。
隣に座ると
「水森さんって平家から来たんですよね?」
遠慮気味に小さい声で聞いてくる。
「うん。そうだよ。それがどうかした?」
「あの、あの、あの。」
下を向いてモジモジしている。
どうしたんだろう?と望美をのぞき込む。
あれ?この横顔どっかで…。
でも、こんなに可愛い子前に会ってたら覚えていると思うんだけどなぁ。
「あっ!」
小さく声を上げればその声に望美がびくっとする。
思い出した。知盛さんと一緒にいた子だ!!
暗くてよく見えなかったけど、桃色の髪がすごい印象的だったんだっけ。
それにこの横顔間違えありません!!
もしかして、そのことかな??
「もしかして、彼のことかな?」
知盛さんの事彼と呼ぶのは失礼かもしれないけど
なんだか内緒事っぽいからなぁ。
春日さんの顔が一気に桜色のに変わっていく。
ホント初々しね〜。(オバサン臭い…。)
「安心して。誰にも言わないから。」
と言えばホッとしたのか。
顔を上げてありがとうがざいます。と、言われた。
可愛いいうえに素直そうだし知盛さんには勿体ないかも。
でも、知盛さん顔はいいから二人並ぶとため息がでそう。
「春日さんはホント可愛いね。」
と、言ってみれば
「水森さんだって」と返ってきた。
イヤイヤ。ないから、それはない。
私の取説には残念なことに可愛いという単語は存在しないから。
なんだか、春日さんに言われるとリアルに落ち込むかも。
それから、春日さんいや(望美と呼んでください強く言われてしまったので)
望美ちゃんと龍神のスタッフの話なんかで盛り上がっていた。
そして気がつくと私の隣に座っていた藤原さんの提案で
飲み比べ大会が始まろうとしていた。
何故か私も参加者になっていた。
どうして、私昨日したばっかりなんですけど・・・。
私の肝臓大丈夫でしょうか。
そんなことを考えていたら始まるようです。
参加者 源さん・有川さん・武蔵坊さん・藤原さん・そして私
↑ ↑
(有川さんが挑発してました)(私が挑発しました)
そう言えばこれだけのイケメンぞろい見てるだけで酔いそう。
イケメンフェラッシュ眩しすぎる…。
そうだ芋だと思うことにしよう。(失礼ですが。)
いも、いも、いも・・・・。
念仏の様に心の中で唱える
よしっ!!
≪芋オレンジ 芋ブルー 芋イエロー 芋レッド≫
負けないわよ
そんな私たちを呆れた顔で見ている、有川さん弟の譲君。
『大丈夫なの〜明日も仕事だよ〜』と言いながら本気で
止めようとしない梶原さん。
望美ちゃんは、無邪気にあそびさん頑張ってと、言ってるし。
梶原さんの妹の朔ちゃんだけは一人は心配そうに見ている。
敦盛君は…。ほんとお酒弱かったのね。一人夢の世界。
料理長のリズさんに至っては、一人でチビチビと酒を煽っていた。
そして私達はと言うと日本酒を順番に飲み干していく。
「なかなか、水森さんの飲める口ですね。ふっふっふっ。」
少し赤い顔をして余裕の笑顔を見せる弁慶。
「武蔵・・坊さんこそ。強いんじゃないんですか。」
と、無意識に呼べば
「物分かりの悪い子には御仕置きが必要ですね。」
と、言ってあそびの両頬をつねり上げる。
「ひたいへすよ。はらしてくらはい、ほうひひませんはら。」
私の泣きそうな顔を見て満足したのか。
「わかってもらえてよかったです。」
と、手を離してくれた。
しっかり黒い笑顔付きで。
イエロー容赦ないよね。かなり痛かったんですけど…。
酔いも覚めちゃうよ!!
赤くなった両頬をさすっている。
「あそび。痛そうだね。俺が一晩付きっきりで看病してやろうか?」
と、湛増に言われる。
「・・・。」
頬が引っ張られて赤くなってるだけなんですけど・・・。
彼は何を言っているのかな??
相変わらず頬をさすっている私をどう勘違いしたのか
「照れてるんなんて、かわいいねあそびは。」
湛増は酒のせいで赤くなってる顔を近づけてくる。
なぜ、そうとれるのか・・・。
余程自分に自信があるんだなこりゃ〜。
というより、なぜ彼は私を呼び捨て然も下の名前・・・。
ほぼ君とは初対面ですよ!
然も私の方が年上ですよ〜。
年上を敬いましょう!!
少し強めに湛増に、デコピンを食らわす
『いって〜』と赤くなったオデコを押さえてこちらを見ている。
「はい次は、藤原君の番だよ。」
強引にグラスを渡す。
そんな私たちのやり取りを見て一同は笑い出した。
「湛増も水森さんには敵わないようですね。」
と、弁慶が笑えばそれに気がついた湛増は
弁慶を睨みつけてグラスの酒を一気に飲み干した。
あの武蔵坊さんを藤原君睨んでる・・・。
ある意味彼も大物だな〜。
あれ??そう言えば武蔵坊さん今藤原君の事『たんぞう』って
呼ばなかった??
「武蔵坊さん。今、たんぞうって藤原君の事呼びましたよね?」
笑っている弁慶に尋ねれば。
「ええ、彼は藤原湛増という名前ですから。」
「へっ?」
聞いた?たんぞうってたんぞうって!!
今時?こんな若者にそんな渋い名前?
ほんとに?
やばいかも。
抑えきれない。
「あは、あは、あははははははははは。」
私は堪えきれず笑いだしてしまった。
失礼だと思うんだけど堪えきれないごめんね藤原君。
お酒のせいもあると思うけど、もう笑い始めたら止まらない。
藤原君は少し拗ねたようにこちらを見ている。
申し訳ないと思うんだけど。
止まんない!!
(ほんと失礼です。全国の湛増ファンの皆様すみません。)
そんな私に藤原君は強引にグラスに入ってるお酒を口に流し込む。
笑ってるところに急に水分が入ったせいで思いっきり噎せた。
『ゴホゴホ』
涙目になりながら。
ちらっと、怒ったのかなと湛増を見ると。
あそびの噎せた顔が可笑しかったのか。
無邪気に笑っていた。
安心したせいか、自分もなんだか可笑しくて釣られて笑っていた。
そして、飲み比べは深夜まで続き翌朝あそびは
激しく後悔することとなるのであった。
つづく
あとがき
なんとか書き上がりました。
でも、全員と絡めませんでした…。
なかなか難しいもんですね。展開的には固まっていても文章にすると
どうしても上手くいかない。要は未熟者がゆえなんですが。
あと、全国の弁慶さんファン、知盛さんファン、湛増さんファン皆様
失礼な扱いが有りましたすみません。
私も上のお三方はとても好きなキャラなので。大目に見てやってください。
あと、敦盛君も・・・。
お酒に弱そうでしたので。(だっちのイメージですけど)
次回は九郎さんで遊んで、イヤイヤ九郎さんを出して行こうかと
思案中でございます。
次回も、歓迎会編第二弾でUPする予定でございます。
では、また次回の作品でお待ちしています。
だっち
2011・6・15
<span style="font-size:x-large;">やってきました 日本料理 龍神</span>
人ごみをかき分け寝癖がついてる髪を気にしつつも全力疾走朝から…。
ポケットから携帯を出して時間を見る。
まずい完全に遅刻~!!
大事な初日なのに~。
とにかく走る。人にぶつかって転びそうになっても
昨日あんなに飲むんじゃなかった…。
知盛さんのせいだ!!
最後だからといって飲み比べしようって言うから
乗ったのは私だけど…。
昨日今まで働いていた平家というお店から頼まれて
今日から龍神というお店で働くことになった私
昨日は私の送別会だったからついついテンションが上がって、
いつもは乗らない知盛さんの誘いに乗って飲み比べをしてしまい
(結局引き分けだったけど)酔いつぶれて
あろうことか、寝坊…。
目覚まし三つもかけたのに!!!
文明の利器何かに頼るんじゃなかった~。
「つ、着いた…。」
息も切れ切れ。ようやっと目的の龍神に到着した。
着いたのはいいものの。
さて、どうやって入ったものか…。
「やっぱり、正直に寝坊しました。すみません。がいいかな…。
それとも、一度平家によって忘れ物取ってきたので遅れました。
よしこれで行こう!!」
と、意気込んでいるところに
「嘘を付くのですか??」
「ヒャイ!!」
後ろから急に話しかけられ驚いて素っ頓狂な声をだしてしまった。
慌てて後ろを振り返るとそこにはニコニコと微笑む琥珀色の髪をした
スーツ姿の男の人が立っていた。
綺麗な人。第一印象はその言葉しか出てこなかった。
「入らないんですか?」
優しく微笑まれると自分の顔がミルミル赤くなっていくのがわかる。
「はっ、入ります。」
男の人に続いて中に入った。
「君はもしかして今日からキッチンで働くことになっている。水森さん
ですか?」
私のこと知ってるんですかと?聞けば新しく入ってくる
女性のスタッフですよ?
当然の事ですよ。と返ってきた…。
なんて返せばいいのか…。言葉が見つからない…。
こうなればスルーだよねスルー!!
「あの、お名前聞いてもいいですか?」
「おや、<span style="font-size: x-small">ナカナカ手ごわそうですね</span>…。僕のですか?」
うん?今小さい声で何か言わなかった??
しかも一瞬目が光らなかった??
気のせいかな??
「どうしたんですか?」
と、いわれて『はっ!』と、我に帰る。
「いえ。何でもないです。」
そうですかと言ってその人は名前を教えてくれた。
「武蔵坊弁慶といいます。」
と。
「・・・・。はっ?」
私は本日二回目の素っ頓狂な声を出してしまった。
冗談かな?冗談だよね・・・。
でも、言ってるように見えないよね。
黙って弁慶を見つめていると
「だから、武蔵坊弁慶が僕の名前です。」
少し困った顔をしてこちらを見ていた。
「・・・・。」
本名ですよね?とは聞けないよね…。
「武蔵・・坊さん。」
笑いがこみ上げてきた…。
「水森さん。変なところで切らないでください…。」
少し機嫌を損ねてしまっただろうか。
こっそりと武蔵・・坊さんの方を見ると。
バッチリ目が合っちゃったよ・・・。
「それより、早くキッチンに嘘を付きににいかなくていいんですか?
結構いい時間ですよ。」
「ヤバッ!!急いでたんだ。って・・。武蔵・・坊さん嘘って…。
聞いてたんですか?私の独り言。」
「おや?君はあんなに大きい声で独り言言うんですか?
なら、次からはもう少し周りを見てから言った方がいいですよ。
フッフッフっ」
と黒い笑顔で言われる。
「…わ、私キッチン行ってきます。じゃあ、しっつれいします~。」
と、脱兎のごとく去っていくあそびを見つめて
「中々楽しめそうな子が入ってきましたね。」
一人弁慶は妖艶な笑を浮かべていた。
当然のことだがキッチンに入るなり源さんという人からしっかりお説教を
いただきました。もちろんちゃんと、寝坊したって正直に言いました。
源さんに怒られている間、源さんの後ろで有川さんがこっち見て
ニヤニヤしてるのを見てさらに怒られるし。
ホント踏んだり蹴ったりの一日だよ。
ようやっと、源さんのお説教から開放されると。
ニヤニヤしながら有川さんが近づいてきた。
「相変わらず、朝ダメだなぁ~。おまえ…。しかも初日から
中々大物だぜ。しかも寝癖ついてるし。
お前一応女だろ。」
「有川さんいじめに来たんですか?!」
しょんぼりしているあそびの頭に手を置いて
「まあそういうなって。九郎のやつお前のこと心配してたんだぞ。
時間になっても来ないし、連絡もない。
何かあったんじゃないかってな。
厳しいやつだが、いい奴だからなあいつは。不器用だけどな。」
そういえば、連絡するべきだったよね。
テンパってて気がつかなかった。
「有川さん。すみませんでした。私…。」
「それ言うの俺じゃねえだろ。なっ。」
っと、ポンポンと頭を叩かれた。
九郎なら外だと将臣に言われて外に出ていく
外には椅子に座った九郎がいた。
「源さん。」
と、声をかければどうしたと近づいてきた。
「その、今日はほんとにすみませんでした。連絡もせずに。
非常識でした。有川さんから聞きました。
心配かけてしまったみたいで。
本当すみませんでした。」
と、頭を下げた。その行動にビックリしたのか
「わ、わかってくれたなら。いい。その遅刻には気をつけろよ。」
と、言うと『じゃあ、俺は』と、お店の中に入っていってしまった。
有川さんの不器用と言った意味分かったかも。
中に入ると料理長のリズヴァーンさん(外国の人なのかな~)
からみんなに改めて紹介された。
もちろんホールスタッフもお店の全員に。
よく見るとびっくりするくらいのイケメンぞろい!!
ホールもキッチンも!!
平家の皆もイケメンぞろいだったのに、それに負けてないし…。
こんなところで働いてたら目が肥えて彼氏どころか、結婚が遠のきそう
幸か不幸か…。まぁ、男は顔じゃない!!女も顔じゃない!!
問題は中身よ中身!!
ここ大事だよね!!
私には見る目はないけど…。
そういえば今日は仕事が終わったら私の歓迎会をしてくれるらしの。
今日もお酒が飲めるのね!!
それを支えに今日は頑張ちゃうよ!!
私もしかしておっさんになりつつあるかなぁ~
まあ、気にしない気にしない!!
好きなんだから仕方ないよね〜
夜の営業が終わって呆然としていると
「水森殿その大丈夫だろうか?」
と、敦盛君が話しかけてきた。敦盛君は私の一年後輩になるんだけど
平家にちょくちょく手伝いに来ていたから
同期みたいなものなのに。
私の事を殿付で呼ぶの・・・。
今時殿付って思うけど。
止めてくれる気配がなかったので諦めました。
「あっ。うん。大丈夫。
ただ、あまりに忙しさにびっくりしていただけ。」
そう!!もう忙しいって一言では言い表せられない!!
戦場化してたよ…。あまりの忙しさにみんな目が血走ってたし…。
「このところずっとこんな感じに忙しいんだ。水森殿が来てくれて
その心強いな。」
「敦盛君…。足だけは引っ張らないようにするだけで精一杯だよ。
そんなこと 言っても何も出ないよ。」
「いや、私はそういうつもりで言ったわけでは…。」
困った顔をして下をむいてしまう。
「うそうそ。ありがとう。頑張って早く慣れて少しでもみんなの役に
立つようにするね。あっ、あとね。経正さんからたまには家にも
帰ってきなさいって託け頼まれてたんだった。」
「そうか、ありがとう。その、兄上は元気なのだろうか?」
恥ずかしそうに小さな声で訪ねてきた。
「うん。変わりなく元気だったよ。昨日までは。」
「そうか。」
敦盛君と話をしていると
「行くぞ。水森~。敦盛~。」
と、将臣に呼ばれる。
はて、何処へ??なんて思ってたら。
「お前の歓迎会だよ。」
と近づいてきた将臣に言われる。
そっか。そんなこと言われてたっけ!!
ということは、お酒が飲めるんですね。
これ以上ないという笑顔になり
「行きましょう!!敦盛君も早く。」
そして、服に着替えたイケメン一行+寝癖酒好き女はは夜の闇に消えて行った。
つづく
あとがき
長くなりそうなのでここで終わってみました。
遥か3のキャラを全員出せなかった…。
おかしいな。出すつもりだったのに…。
次は歓迎会編ですので全員でますよ。頑張って出しますよ。(たぶん)
だっちが好きなヒノエも出るよ~。湛増って名前だけどね~。
面白そうだから湛増でいつてみようとか思ってしまったの。
弁慶さんも、武蔵坊ってありえないよね(笑)いたらぜひお会いしたい。
こんな感じで(ギャグっぽく)進んでいきます。
感想などよろしかったらお願いします。
やる気につながります。
かなり単純な人間なので。
では、次の作品でお待ちしています?
だっち
2011・6・14
月森は香穂子と電話を切ったあと自分の部屋の窓から
夜が白白と明けてくる空を黙ってみている。
そして、先程香穂子に言った言葉を思い出していた。
「あの言葉で良かったんだろうか。」
自問自答しても答えなど出るはずも無く、
虚しく一人の部屋に消えていく。
あの言葉が、今自分に言える唯一の言葉だったように感じている。
香穂子は、もっと違う言葉が欲しかったんではないだろうか。
でも、彼女は『ありがとう』と、言ってくれた。
また自分は香穂子の優しさに甘えているのではないか。
初めてのコンクール緊張しないわけは無い。
怖くないわけは無い。
そんな彼女に俺は・・・。
でも、あの言葉が俺のいや、彼女にとっての魔法のコトバであってほしい。
そして、自分の部屋にある時計で時間を確認する。
「そろそろ時間か。」
と、呟くと月森は自分のヴァイオリンケースからヴァイオリンを出す。
君に届くといい。
この俺の思い。
俺の音が。
ヴァイオリンをかまえると、優しく奏で始めた。
二人を繋ぐ曲
『愛の挨拶』を・・・。
そして、この想いも・・。
月森がヴァイオリンを奏で始める少し前、
香穂子は自分の出番が近づき控え室から出るところだった。
落ち着いていた心臓がまた騒ぎ出す。
でも、先程のような緊張ではなく自然と背筋が伸びるような
心地の良い緊張感だった。
ドアのノブに手をかけ外に出る。
ステージまでのさほど遠くない距離をゆっくり歩いていく。
途中で、先に演奏を終えた土浦にあった。
「頑張ってこいよ。お前の最高の演奏楽しみにしているからな。」
と、笑いかけられる。
「うん。今ここにいられるのは皆おかげだから。私ができる最高の
演奏で恩返しするよ。もちろん土浦君にもね。
聴いてて私の演奏。」
と、笑うと再びステージに向かって歩き出す。
そう、今の私は月森君にはまだまだ届かない。
分かってる。
でも・・・。
諦めたくない。
やれるだけのことをやろう。
どんなに大変な道かななんて想像できない。
だけど、だけど。
月森君が言ってくれたあの言葉がある限り
私は、頑張れる。
行こう、私!
スポットライトの照らされているステージに踏み出す。
音楽への道への一歩を。
どうか、どうか、この曲が彼の下へ。
そして、私のこの想いも・・・。
<span style="font-size:large;">「Lch liede dich」</span>
<span style="font-size:large;">「あなたを愛しています」</span>
完
あとがき
お、終わりました〜!!!ヽ(*´∀`)ノ
どうでしたか??
意外とサクっと終わちゃいましたね・・。
結局月森君何て言ったかあやふやな感じですかね。
いろいろ言わせてみたんですが、
ピンとくるのがなくて。
最後のドイツ語で許してもらえませんか??
香穂ちゃんがドイツ語をわかるかどうかは・・・。
そこは、ご想像に任せて!!
一時期書けなくて辛かったですけど何とか終われてよかったです。
まだまだ未熟ものですが、また懲りずにのぞきに来てやってください。
次は、短編や番外編何かを書いていこうかな〜
と思案中です。
龍神の方にも遊びにきてくださいね!!
だっち
2011・6・23
突然の電話に驚きつつも、傍にあったベンチに腰をかけ
慌てて携帯の通話ボタンを押した。
「も、もしもし。」
慌てて出たせいか、香穂子は声が上ずってしまった。
「もしもし、月森だが。」
と、月森に言われて、
『分かっているよ。メモリーにきちんと入ってるんだから。』
と、などとも思いながら日本に居る時から電話くれる度に
律儀に、最初に自分の名を語る月森が月森らしくて香穂子は
とても好きだった。
「すまないこんな大事な時に突然電話なんかしてしまって。
電話してしまってからで申し訳ないんだが。
その今、大丈夫だろうか?」
月森には珍しく遠慮がちにきいてくる。
何かあったのかな?と、思いながらも
「大丈夫だよ。」
と、答える。
よほど、気にしていたのかその言葉に安心した様子だった。
「なら良かった。本当は昨夜電話するつもりだったんだ。
でも急に外せない用事が入ってしまって。
その、メールだけで電話できずにすまなかった。」
謝る月森に慌てて、
「そんなことないよ。私月森君のメール凄く嬉しかったんだよ。
だから、謝らないで。」
「その、こんな時に気の利いた言葉でもメールに入れられればよかったんだが。
俺はそういうことには、気が回らないんだ。
すまない・・・。」
「月森君・・。私の話聞いてた?私嬉しかったんだよ。本当に。」
「しかし。」
月森が何かを言おうとしたが、香穂子がそれを遮る形で話し出した。
「それに、いまこうやって私の為に電話してきてくれたじゃない。
その気持ちで十分だよ。
ありがとう。
ビックリしたけど本当に嬉しい。」
「そうか。ならよかった。」
ふと、月森が受話器の向こうで優しく笑った。
「そう言えば、月森君今そっち夜中なんじゃないの?」
月森が居るウィーンとは時差が7時間。
間違い無く夜中だ。
「そうだが、気にしないで欲しい。」
「でも、疲れてるのに。睡眠時間削っちゃってごめんね。」
申し訳なさそうに謝る香穂子に
「謝らないで欲しい。俺がしたくてしたのだから。
それに、君の傍に居られないせめてこれくらいはさせてくれ。」
月森は月森なりに香穂子の傍に居られないこと後ろめたく感じていた。
「月森君。その気持ちだけで十分だよ。ありがとう。」
月森の気持ちが本当に嬉しくて、涙がでそうだった。
「いや・・・。
もしかしたら、
<span style="font-size:x-small;">単に俺は君の声を聞きたかっただけなのかもしれないな。こんな大事な時なのに・・。</span>
だから、電話にでてくれてありがとう。」
月森の声が小さくて全部聞こえなかったのか。
香穂子は、もう一度言って欲しいとたんんだが、大したことではないから
気にしないで欲しいと返ってきてしまった。
「月森君。実はね、私月森君が電話くれるまで自分ではどうしようもないくらい
緊張してて、ステージに立つのが怖かったの。
調弦できないほど手も震えていたんだよ。
心を落ち着かせるために、外に出て月森君のメール見ていたんだよ。
そしたら月森君から電話があったの。
ビックリしたけど、そのすごくうれしかったの。」
月森と電話で話すうちに香穂子の緊張していた心は
先程の緊張が嘘のかのように落ち着きを取り戻していた。
「それに、
今は不思議なくらい心が落ち着いて、あったかい気持ち一杯なんだよ。
だから、私からお礼を言わせて。
電話をくれて、声を聞かせてくれて、ありがとう。」
膝においていたヴァイオリをそっと抱きしめていう。
「香穂子・・・。君は、いや。コンクール頑張ってくれ。
俺は、君を、君の音楽を信じているから。」
最初は手放してしまいそうになった彼女。
今でもなんの約束のできない未来。
でも、彼女はそれでもいい。
自分が行くからと言ってくれた。
真っ直ぐで強い彼女。
もう、手放すことなんて自分には出来ないだろう。
思考の深いところにいた月森は香穂子の声で我に返る。
「月森君、凄く厚かましいのは分ってるんだけど、一つだけお願いしてもいいかな?」
頼み事を滅多にしてこない香穂子からの頼み事に驚きつつも
「俺に出来ることなら。」
と、すんなりと了承する。
「月森君の言葉で私に魔法をかけて欲しいの。
コンクールを頑張れる、
そして、月森君の所に行ける
魔法のコトバを。」
つづく
あとがき
か、書けました。
何とかUPにこぎ着けました。
とりあえず、よかった〜。
さて、月森君はどんな言葉を言うのでしょうかね〜。
知りたいですよね!!
私も知りたい♥(知ってるんじゃ無いのかい〜)
フッフッフッ。
秘密ですよ〜
さてさて、内容は相変わらずですが♥
月森君ってこんなキャラだったっけ?と、思うところも有りましたが・・。
おそらく、月森君なら、大事なコンクールのしかも直前に電話なんて
絶対ありえないと思いつつも、電話貰ったら嬉しいだろうなと、思い。
電話させちゃいました♥
イヨイヨ次回最終回でございます。
あと一話お付き合いいただけると嬉しいです。
気に入っていただければ、拍手をポチっと♥
↑
(けして強要ではございませんよ。あったら嬉しいですけど)
では、また遊びにきてくださいね。
だっち
2011・6・21
今日は、コンクール本選当日。
昨日の予選を無事に通過した香穂子と土浦は、本選が行われる会場に来ていた。
「結構な人だな。」
顰めっ面のの土浦が言う。
「仕方ないよ。昨日は、関係者以外は立ち入り禁止だったけどチケットがあれば
今日は誰でも入場可能なんだもん。
それにそのおかげで皆応援にきてくれたんだよ。」
隣にいる土浦を宥めるように香穂子は
春のコンクールメンバー+加地を見て言う。
「わかってるよ。でも、多すぎだろ」
と、ブツブツ言っている
今日は春のコンクールのメンバー+加地君が私達の応援に来てくれていた。
この春卒業した、柚木先輩や火原先輩もだ。
「わざわざ、先輩たちまでありがとうございます。
冬海ちゃんも志水君も加地君までありがとう。」
みんなに向かってお礼を言う。
「いいんだよ。日野さん、土浦君、
コンクール前の忙しいときに逆に申し訳なかったね。」
と、柚木謝ってきた。
実は、会場に着く前に突然土浦君に火原先輩から応援に来たよ。
と、電話があったのだ
「そんなことないです。こちらこそです。ホントわざわざありがとうございます。」
「何言ってるのさ〜。香穂ちゃんと土浦が出るのに応援に来ないわけないよ。」
相変わらず、飛び抜けて明るい火原。
「そうです。僕も香穂先輩と土浦先輩の演奏楽しみにしてました。」
柔らかい空気をまとった志水。
「私もです。香穂先輩、土浦先輩頑張ってください。」
恥ずかしそうにしている冬海。
「お礼が言いたいのはこちらの方だよ。日野さんの演奏を聴けるなんて
夢のようだよ。今から楽しみでなんだか落ち着かないくらいなんだ。
もちろん、土浦の演奏もとても楽しみだよ。」
という加地に『俺はおまけか!!』と言い返す土浦。
なんだかんだで仲がいいらしい。
そんな仲間たちを香穂子は眺めている。
こうして、みんなが応援してくれている。
もちろん月森君も昨日メールをくれた。
一人で頑張ってきていた気がしていたけど、
私にはこうして応援してくれる仲間がいる。
嬉しくて、涙がでそうになるのをグっと堪える。
涙なんかじゃなくて、今自分できる最高の演奏で答えよう。
「じゃあ、そろそろ行くか。日野。」
「うん。じゃあ、行ってきます。」
と、みんなに手を振る。
「頑張って。ふたりとも。」
「香穂ちゃん、土浦、会場で応援してるからね〜」
「先輩たち演奏楽しみにしてますから。」
「香穂先輩、土浦先輩頑張ってください。」
「日野さん、土浦。楽しみしてるよ。頑張って。」
全員から次々と激励されて、控え室へ向かう。
「嬉しいものだね。土浦君。」 と、笑いかければ
「ああ。そうだな。」
と、土浦もわらいかけてくれる。
土浦とは控え室が違うので途中で分かれることになる。
「んじゃ、俺はこっちだから。お互い頑張ろうな。」
と、香穂子の頭に手を置いて笑う。
「うん、頑張ろう。土浦君の演奏楽しみにしてるから。」
「サンキュ。お前の演奏も楽しみのしてるからな。じゃあな。」
と、頭にあった手と共に土浦が去っていく。
「うん。じゃね。」
と、言って香穂子も自分の控え室へ向かった。
控え室に入ると、一気に緊張感が襲ってくる。
空色のドレスに着替え
調弦しようとヴァイオリンをケースからだす。
調弦する手が汗ばみ小刻みに震えている。
大丈夫。大丈夫。と、必死に自分に言い聞かせる。
心臓が口から出てきそうなほどうつ鼓動が早い。
緊張に耐え切れず、ヴァイオリンと携帯を持って外に出る。
一度息を大きく深呼吸してみる。
落ち着く様子がない自分の心臓。
手にある携帯をいじって、昨日の月森のメールを見る。
『頑張ってくれ。応援している。』
たった、これだけ。
月森らしくてメールを見たとたん笑ってしまった。
『ブーブーブー』
突然手にある携帯が震え出す。
ディスプレイを見ると、月森と表示されている。
「月森君!?」
つづく
あとがき
やっとなんとかまとまりました。
最終回まであと2〜3話というところでしょうか。
結末は決まってるんですが、どうやってつなげたらいいか思案中でございます。
前回書き忘れたんですが、魔法7での香穂ちゃんの弾く曲ですが色々迷いました。
愛の挨拶とか、ベートーベンのロマンスと多々。
でも、コルダの月森君の珠玉のエンディング出来てこれが流れたとき
かなり感動したので。この曲にしちゃいました。
さりげなくドレスは月森君使用の空色にしちゃった。
エンディングまで、あと少しだと思います。
よろしかったらもう少々お付き合いくれたら嬉しいです。
相変わらず駄作文ですが。
では、また遊びにきて下さると嬉しいです。
だっち
2011・6・17
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